tag:blogger.com,1999:blog-22381678187788981882024-03-14T04:24:44.907+09:00PlanetComics.jp出張版 「ウォッチメン」特集サイト緊急企画!「ウォッチメン」総力特集サイト。作品解説、関連商品紹介PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comBlogger38125tag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-51526973776939847012010-04-04T23:48:00.002+09:002010-04-04T23:50:38.737+09:00第8章ラストシーン本編では削除された、第8章ラストシーン。DVD、ブルーレイに収録されています。<br /><br /><object width="450" height="236"><param name="movie" value="http://www.traileraddict.com/emd/12259"></param><param name="allowscriptaccess" value="always"><param name="wmode" value="transparent"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><embed src="http://www.traileraddict.com/emd/12259" type="application/x-shockwave-flash" allowscriptaccess="always" wmode="transparent" width="450" height="236" allowFullScreen="true"></embed></object>PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-47234243475553196562010-02-12T06:20:00.003+09:002010-02-12T06:28:46.802+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(25) CHAPTER 8 [P273〜P276]<strong><P273></strong><br /><span style="color:#99FFFF;">P254</span>で、ゴッドフリーとシーモアの二人が懸命に仕上げていたのがこれらの紙面。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ポール・リヴィアの夜行</span>:アメリカ独立戦争初の武力衝突となったレキシントンの戦いにおいて、伝令ポール・リヴィアは、イギリス軍の襲来を夜を徹して各地に伝え続け、後に愛国者の鑑と称えられた。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">アラモの戦い</span>:1835年、メキシコ領テキサスにおいて、アメリカ人入植者がメキシコからの独立を目指し蜂起。テキサス独立戦争が始まった。翌36年、アラモ砦に立てこもった155人のテキサス守備隊を、4千人のメキシコ軍が包囲。激戦の末、守備隊は全滅したが、復讐に燃えるテキサス独立軍はメキシコ軍を破り、独立を達成。1845年にアメリカ合衆国に加盟した。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ゲティスバーグの演説</span>:1863年11月19日、南北戦争(1861〜1865)の天王山となったゲティスバーグの戦いの戦死者を弔う式典で、時のリンカーン大統領が行った演説。「人民の、人民による、人民のための政治」の一節は、あまりにも有名。<br /><br /><strong><P274></strong><br /><span style="color:#FF1100;">マルキスト</span>:ドイツの革命家カール・マルクスの掲げる科学的社会主義の信奉者。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ボストン茶会事件</span>:1773年12月16日、植民地時代のアメリカで、逼迫した財政を植民地への課税によって補おうとしたイギリスへの不満が契機となって発生したイギリス船襲撃事件。アメリカ独立戦争の発端となった。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ローン・レンジャー</span>:1933年にラジオでデビューした西部劇のヒーロー。本名ジョン・リード。テキサス・レンジャーの一員であった彼は、悪名高い強盗団のリーダー、ブッチ・キャベンディッシュ(映画『明日に向かって撃て』で有名な無法者ブッチ・キャシディがモデル)によって重傷を負わされるが、インディアンの友人トントの看病によって一命を取りとめた。自らの死を装った彼は覆面で正体を隠し、トントと愛馬シルバーと共に、西部に正義をもたらすことを誓ったのである。ちなみに、同じ原作者が創造したクライムファイター、グリーンホーネットは、ローン・レンジャーの甥の息子という設定。<br /><br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/S3R2SjCH1SI/AAAAAAAAAGM/RkyclE7kfmE/s1600-h/RetroLoneRanger2.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 320px; height: 280px;" src="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/S3R2SjCH1SI/AAAAAAAAAGM/RkyclE7kfmE/s320/RetroLoneRanger2.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5437100711156897058" /></a><center>ローン・レンジャー。写真は1949年〜1957年のテレビシリーズ。</center><br /><br /><span style="color:#FF1100;">1979年のベイルートの報復爆撃</span>:ベイルートは中東レバノンの首都。第二次大戦中にフランスから独立したレバノンは、キリスト教徒も多く、リゾート地としても知られていたが、パレスチナ解放機構が活動拠点としたことから各宗教間のバランスが崩れ、1975年に内戦が勃発した。シリア、イスラエルなど、隣国を巻き込んだ内戦による混乱は、21世紀の現在まで尾を引いている。アメリカは1982年に多国籍軍の一員としてレバノンに進駐しているが、1979年の報復爆撃とは本作の創作である。<br /><br /><strong><P275></strong><br />鎖で後ろ手に縛られ、マルキストのダグ・ロスに覆面を剥がされたヒーローに襲いかかろうとしているのは、麻薬問題に少年非行、金に飢えた巨大企業に組織犯罪(ネクタイに描かれた黒い手(ブラックハンド)は、犯罪結社の象徴)。さらにその背後にはソ連が控えている。<br />このピンチにもかかわらず、一般大衆は無関心どころか眠りこけ(背中に「ジョン・Q・パブリック」と書いてあるが、これは平均的アメリカ人男性を指す言葉で、日本で言えば「山田太郎」のようなニュアンス)、ニューヨーク市警は"キーン"のフラッグを振って囃し立てている。善良な家族は成す術もなく立ち尽くすだけで、自由の女神も涙を流すことしかできない。しかも、これが最終ラウンドなのだ。このイラストを描いたのは、バーニィが読み続けている「漂流者」のアーティストだった、ウォルト・ファインバーグ(左下のサインに注目)。<br /><br /><strong><P276></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ノーマン・レイス</span>:<span style="color:#99FFFF;">P329 PANEL2</span>参照。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ハイラ・マニッシュ</span>:<span style="color:#99FFFF;">P255</span>参照。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ジェイムズ・トラフォード・マーチ</span>:他の人間はヴェイトの計画のために集められたが、作家はマックス・シェアがいるので、もう一人必要とは思えない。純粋に経済的な問題で失踪したと考えるのが自然だろう。<br /> <br /><span style="color:#FF1100;">リネット・パリー</span>:<span style="color:#99FFFF;">P329 PANEL2</span>参照。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ウィットネティカー・ファネッセ</span>:<span style="color:#99FFFF;">P329 PANEL3</span>参照。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ロバート・デスチェインズ</span>:盗まれた脳の行方については、<span style="color:#99FFFF;">P329 PANEL3</span>参照。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-4273792141143529912010-02-12T06:12:00.006+09:002010-02-12T06:25:22.994+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(24) CHAPTER 8 [P248〜P272]<strong><P248><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />10月20日にアフガニスタンに侵攻したソビエト軍は、6日ほどで国土を縦断し、わずか1日でパキスタン軍の防衛線を蹴散らした事になる。パキスタンはアメリカに介入を依頼していたが、米軍は動かなかった模様(<span style="color:#99FFFF;">P222 PANEL5</span>、<span style="color:#99FFFF;">P245 PANEL3</span>参照)。<br />なお現実世界では、アメリカはアフガニスタンに侵攻したソ連に対抗するため、パキスタンの軍事独裁政権を援助していた。<br /><br /><strong><P249><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">リンカーン記念館</span>:第16代合衆国大統領アブラハム・リンカーンを記念した国立記念館。高さ約6メートルの巨大なリンカーンの坐像がシンボルで、壁には「人民の、人民による、人民のための政治」の一節で有名なゲティスバーグ演説が刻まれている。<br /><br /><strong><P248><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">レーガン、カリフォルニア州知事</span>:現実世界においてレーガンがカリフォルニア州知事を務めていたのは1967年から75年にかけて。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">レーガン</span>:ロナルド・レーガン(1911〜2004)。第40代合衆国大統領。共和党所属。1940年代は映画俳優として活躍。映画俳優協会会長、カリフォルニア州知事を経て、1980年の選挙で大統領に当選。強いアメリカの復活を掲げ軍備増強を進める一方、大幅減税による経済復興計画レーガノミクスを実施。財政赤字は倍増したものの、経済回復を成功させた。対外的には、グレナダ侵攻、リビア爆撃と第三世界に睨みを効かせ、ソ連との対決姿勢を強めて行ったが、1986年に改革派のゴルバチョフがソ連の書記長に就任すると一転して協調路線に転向。訪ソを果たし、緊張緩和路線によって東西冷戦に終止符を打った。<br /><br /><strong><P252><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br />ローリーがタバコを置き忘れている。ファイン刑事に気づかれたか。<br /><br /><strong><P253><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">明日までに〜</span>:この日は10月30日(水)。ドライバーグはP248-249と同じ服を着ているように見えるが、実は3日も経っている。<br /><br /><strong><P254><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">午後には〜</span>:時刻は午前8時半すぎ。作業内容からこの日が10月30日とわかるが、前ページは同じ30日でも明らかに夜なので、時間が前後していることがわかる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ハンキーヘッド</span>:詳細は不明。アメリカの伝統料理を出す店でないのは確かだが。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">正義は時に、鷹のように〜</span>:ヒーローたちの覆面と、アメリカの国鳥である白頭鷲の首から上の白い羽毛を、英語でフード(頭巾、覆面)と呼ぶことにかけている。<br /><br /><strong><P255><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />例のアレの積み込み作業が続く中、船首に大きなシャッターのあるピラミッド宅配社の貨物船が近づいてくる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">漂流者の話</span>:ナショナルコミックス刊『黒の船』#23、24に掲載された「漂流者」のこと。黒人少年バーニィが読み耽っているのは、そのリプリント版。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />10月31日の日付に注目。前ページの最後のコマから、31日に移行しているものと思われる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />巨大なプラグからわかるように、アーチーの動力は電気である。<br /><br /><strong><P256><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />教授とは、DR.マンハッタンことジョン・オスターマンのかつての上司ミルトン・グラスか。さすがに歳は取っているものの、ヴェイトの標的にはならずにすんだ模様。ニュースでコメントを求められるほど社会的認知度の高いグラスを犠牲にした方が世間へのインパクトは強いように思えるが、次元開発社に引き入れるのに失敗したのか(<span style="color:#99FFFF;">P370 PANEL2</span>参照)。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">KKK</span>:クー・クラックス・クランの略。南北戦争時代から続く白人至上主義者の秘密組織。伝統的なアメリカの習慣と価値観を脅かすとして、黒人、ユダヤ人、東洋人、社会主義者などを糾弾、時には殺人さえ辞さない無軌道ぶりで、世論の非難の的となった。最盛期は1920年代で、以降は衰退の一途を辿っている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />宅配会社とは、ヴェイト配下のピラミッド宅配社のことと思われる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />カボチャの目に汁が垂れて、おなじみのパターンを描いている。窓の外を、子供たちが通りすぎようとしている。この時に、メイソン宅に寄っていれば……。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br /><span style="color:#99FFFF;">P257</span>ともども、上のコマとの対比に注意。<br /><br /><strong><P258><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">感謝祭</span>:アメリカの休日で、11月の第4木曜日。信教の自由を求め、17世紀にメイフラワー号でイギリスからアメリカに渡ったピルグリムファーザーズの、新大陸での最初の収穫を記念する行事。家族がそろって七面鳥を食べる習慣があり、家長が切り分ける。ちなみに、1985年の感謝祭は11月28日。<br /><br /><strong><P259><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />コバックスの胸に飛び散った血の染みは、ブレア・ロッシュ誘拐事件の際に彼が浴びた犬の血の染みの形状に酷似している(<span style="color:#99FFFF;">P200 PANEL4</span>参照)。<br /><br /><strong><P261><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br />10月21日の夜に逮捕されたコバックスが22日に投獄されたとすると、約10日分の排泄物が溜まっていたことになる。<br /><br /><strong><P262><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />画面右の男は、警官の帽子を被った囚人。<br /><br /><strong><P266><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />ドアの上のデジタル時計によれば、現在11時00〜09分。<br />コバックスが、また砂糖を失敬している。<br /><br /><strong><P267><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">デウス・エクス・マキナ</span>:ラテン語で機械仕掛けの神の意味。舞台用語で、都合よく現れて、入り組んだ物語を収拾するキャラクター、またはアイデアを指す。<br /><br /><strong><P268><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />この鍵が壊されるのも、これで最後。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />壁に吊るされていた外骨格強化服が置き捨てられている(<span style="color:#99FFFF;">P254 PANEL7</span>参照)。荷物の積み込みに使用したものと思われる。画面左の潜水ヘルメットらしきものも、元の位置から移動している。念のために持って行こうとしてやめたのか。<br /><br /><strong><P269><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />バーニィが読んでいるページの下半分は、広告ページになっている。実際の誌面上のコマの大きさの違いにも注目。<br /><br /><strong><P271><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />時刻は、運命の12時5分前。こんな遅くまで子供だけで出歩いているのか。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />メイソンがナイトオウルとして活躍していたのは、少なくとも23年前である。犬の平均寿命が約10年であることを考えると、回想シーンに登場している覆面姿の犬と、現在彼が飼っているファントムが同じ犬だとは考えにくいが、DR.マンハッタンによって何らかの延命方法が考案されているのかもしれない。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />ナイトオウルのパンチを食らっているのがスクリーミング・スカル。画面右奥はキャプテン・アクシスで、左がモーロック。<br /><br /><strong><P272><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />メイソンの右目を横切った髪がおなじみのパターンを描いている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />記念写真のナイトオウルもまた同様である。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">エレノア・ファージョン</span>(1881〜1965):イギリスの女流童話作家。宮崎駿が、影響を受けた人物に名前を挙げている。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-28774734528556964932010-02-12T06:10:00.004+09:002010-02-12T06:20:37.294+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(23) CHAPTER 8 [P245〜P247]<strong><P245></strong>
<br />ホリス・メイソンとサリー・ジュピターの一連のシーンは、小道具や暮らしぶりなど、あらゆる要素が対照的。コメディアンの死によって、最後のミニッツメンになってしまった二人だが、どちらもその話題を持ち出さないところに、互いの複雑な心情が見て取れる。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3-4</span></strong>
<br />ニューヨークのメイソンは6時のニュースを観ているが、サリーのいるカリフォルニアではまだ3時なので、彼女は昼メロを観ている。ニュースの画面に映っているのは、アフガニスタンの地図。北方からソ連軍が侵攻した事を示している(<span style="color:#99FFFF;">P222 PANEL5</span>参照)。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong>
<br /><span style="color:#FF1100;">ハロウィン</span>:ケルト人の収穫祭に由来する万聖節の前夜祭(10月31日の夜)。幽霊や魔女が姿を現すとされており、子供達が幽霊の仮装をして「お菓子か悪戯か?」と言って、家々を回りお菓子をねだる習慣がある。気の早い子供達がハロウィンの準備をしているが、この日は10月26日(土)で、本番はまだ1週間近く先。
<br />
<br /><strong><P246>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong>
<br /><span style="color:#FF1100;">ニクソノミクス</span>:本作発表時の大統領ロナルド・レーガンが施策した経済政策「レーガノミクス」にちなんだ造語。減税、規制緩和、福祉削減&軍備増強などで、不況とインフレの改善に臨んだレーガノミクスは、財政赤字と引き換えに景気回復を果たしたが、ニクソンの経済政策は目立った効果は上げていない模様。ところで、この美容師とホリスの愛犬の対比はあまりに……。
<br />
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong>
<br />鏡に映ったメイソンの表情に注目。一連の会話シーンで初めて表情が見えたシーンである。サリーは屈託なく微笑んでいるのだろうか。ところで、電話のダイアルの穴が8つしかないが、PANEL2では9つなので、単なる描き損ないで特に意味はないのだろう。実際は10個。
<br />
<br /><strong><P247>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong>
<br /><span style="color:#FF1100;">77年の亡霊</span>:有名なスローガン「76年の精神(スピリット)」にかけた言葉。"スピリット"には、"精神、亡霊"の意味があるが、「76年の精神」が1776年のアメリカ独立の"精神"を指しているのに対し、ノヴァ・エクスプレスのいう「77年の亡霊」は、1977年のキーン条例で消えたはずのヒーロー達が亡霊のように蘇ったことを指している。先週号でDR.マンハッタンの癌疑惑を暴き、今週号でも反ヒーローの特集を組むとは、反ヒーロー運動の急先鋒を自負するノヴァらしいが、結局はヴェイトの世論操作の一環でしかない。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong>
<br />ユートピア劇場で上演されているのは、1951年公開のSF映画の古典『地球の静止する日』。核戦争の悲劇を警告すべく来訪した宇宙人クラートゥは、地球人を説得するため、すべての機械を一時的に止めてしまうが……。東西の冷戦対立への危惧を示した作品であり、その精神は本作に通じるものがある。
<br />
<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/S3R0EQzl-NI/AAAAAAAAAGE/t2OCfUmkeCQ/s1600-h/watchmen8.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 273px; height: 320px;" src="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/S3R0EQzl-NI/AAAAAAAAAGE/t2OCfUmkeCQ/s320/watchmen8.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5437098266722695378" /></a><center>「地球の静止する日」</center>
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">P192 PANEL7</span>と同じシーン。<span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span>の店主のセリフにもあるように、このページは10月27日(日)の出来事を描いており、<span style="color:#99FFFF;">P246</span>から1日が過ぎている事になる。
<br />PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-62860184115384131052009-07-08T03:37:00.002+09:002010-02-12T06:08:55.778+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(22) CHAPTER 7 [P240〜P242]<strong><P240></strong><br /><span style="color:#FF1100;">カンジンスキー</span>:ワシリー・カンジンスキー(1866〜1944)。ロシア出身の画家。抽象絵画の祖とされる。ソビエト共産党、ナチスドイツと、政治に翻弄される非業の人生を送った。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">モネ</span>:クロード・モネ(1840〜1926)。フランス印象派を代表する画家。光を巧みに操り「光の画家」と呼ばれた。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">マックス・エルンスト</span>:ドイツの画家兼彫刻家(1891〜1976)。ダダイズム、シュールレアリズムの旗手として知られ、しばしば鳥をモチーフに用いた。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ツァイス</span>:1846年にドイツのイエナで創業した光学機器メーカー。カメラや顕微鏡で有名。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">マイブリッジ</span>:エドワード・マイブリッジ(1830〜1904)。イギリス出身の写真家。後にアメリカに移住し、連続撮影の技法を発明した。彼の連続写真が発展する形で生まれたのが”映画”である。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ホルス神</span>:エジプト神話の天空の神。隼の頭部を持つ人物の姿で描かれることが多い。<br /><br /><strong><P241></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ある友人の見舞い</span>:ある友人とは、初代ナイトオウルことホリス・メイソン、入院中の知人とは、モスマンことバイロン・ルイスのことだろう。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">V2ミサイル</span>:第二次大戦末期にナチスドイツが実用化した世界初の弾道ミサイル。イギリス、ベルギーを中心に3000発以上が発射されたが、当時の技術では迎撃は不可能であり、高空より超音速で飛来するV2が人々に与える心理的脅威は、実際の被害をはるかに上回っていた。戦後、V2の技術者は米ソに連行され、各々の国のロケット技術発展に寄与した。<br /><br /><strong><P242></strong><br /><span style="color:#FF1100;">T.A.カワード</span>:トーマス・アルフレッド・カワード(1867〜1933)。戦前に活躍したイギリスの鳥類学者。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ハドソン</span>:ウィリアム・ヘンリー・ハドソン(1841〜1922)。イギリスの鳥類学者。鳥類に関する多くの著作でも知られる。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">パラス・アテネ</span>:ギリシャ神話の女神。知恵を象徴する聖なる鳥フクロウを従えている。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-49587985236527146462009-07-05T03:20:00.003+09:002010-02-12T06:08:40.991+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(21) CHAPTER 7 [P226〜P238]<strong><P226></strong>
<br />その言葉とは裏腹に、ドライバーグはトワイライト・レディとただならぬ仲にあった模様。
<br />
<br /><strong><P227></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong>
<br />ドライバーグはわずか1時間ほどで目を覚ましてしまった。
<br />
<br /><strong><P228></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong>
<br />窓に映った月がピースマークを描いている。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong>
<br />ドライバーグの復帰を歓迎するかのように、コスチュームのゴーグルが煌いている。
<br />
<br /><strong><P231></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong>
<br />コントローラーに表示された”ACL”とは、ボタンを押した次のコマでライトが点灯していることから、AC(交流)Lightの略だと思われる。
<br />
<br /><strong><P232></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong>
<br />操縦桿を右側のコクピットから左側に付け替えている。車と同じで左運転がデフォルトなのか。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong>
<br />二人が出てきたビルに描かれた「ヒロシマの恋人たち」は、他より積極的。
<br />
<br /><strong><P233></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong>
<br /><span style="color:#FF1100;">アストロドーム</span>:劇中世界のニューヨーク名物であるジオシック・ドームの一つで、ひときわ巨大。
<br />実際のアストロドームは、テキサス州ヒューストンをフランチャイズとするヒューストン・アストロズのホームグランドで、世界初のドーム球場として知られている。劇中世界のアストロズは、ニューヨークを本拠地にしているのだろうか。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong>
<br />コンソールのレーダーに、二人の姿が映り込んでいる。
<br />
<br /><strong><P234></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong>
<br />ドライバーグは、ローリーの姿に見とれてボタンを押すのを忘れていた。
<br />
<br /><strong><P235></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong>
<br />通路の先端が窓枠を掴んで機体を固定させている。また、伸びると同時に手すりが起き上がる仕組みになっている。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong>
<br /><span style="color:#FF1100;">スモーキー・ザ・ベア</span>:アメリカの森林火災予防運動組合が1944年に採用した山火事防止キャンペーンのマスコット。森林消防隊の扮装をした熊で、今なお広く親しまれている。<a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sk-d4ayGf8I/AAAAAAAAAF0/yrlS3TKTwrw/s1600-h/sbear.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 215px; height: 320px;" src="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sk-d4ayGf8I/AAAAAAAAAF0/yrlS3TKTwrw/s320/sbear.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5354672074554507202" /></a><center>スモーキー・ザ・ベア</center>
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong>
<br />ドライバーグがBGMに流したのは、1933年のヒット曲 『ユー・アー・マイ・スリル』。
<br />
<br />背景にヴェイト社のビルが見える。位置関係からすると、社長室から見えていたのはアストロドームらしい(<span style="color:#99FFFF;">P24 PANEL4</span>参照)。
<br />
<br /><strong><P236></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong>
<br />ほっとしたのか、緑のシャツを着た黒人女性が手巻きタバコで一服しようとしている。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong>
<br />大人たちが呆然とする中、少年だけが、去り行くヒーローに応えている。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong>
<br /><span style="color:#FF1100;">ビリー・ホリディの〜</span>:この曲が発表されたのは1933年だが、ホリディがカバーしたのは1950年。
<br />
<br /><strong><P237></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong>
<br />ナイトオウルの完全復活に、再びゴーグルが煌いている。
<br />
<br /><strong><P238></strong>
<br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong>
<br />ソケットに挿さずに立てかけてある操縦桿に注目。その時間さえもどかしかったのか。
<br />
<br />床にパイプタバコが転がっている。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong>
<br />月とアーチー、雲、火事の煙がピースマークを形作っている。
<br />
<br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL10</span></strong>
<br /><span style="color:#FF1100;">ヨブ記</span>:旧約聖書の一部で、敬謙な信徒ヨブの受難の物語。引用された一節は、サタンによって皮膚病に侵され、周囲の人々にそしられ、神への祈りも届かない、現在の惨めな己の身の上を嘆くヨブの言葉。だが、それでもなお彼は神を信じ続け、信仰のあり方を示す。
<br />
<br /><strong><P239></strong>
<br /><span style="color:#FF1100;">アメリカ鳥類学協会</span>:1883年に設立された、アメリカ最古にして最大の鳥類学者連合組織。会員数は約4000名。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-13412696698606730022009-07-02T14:18:00.010+09:002010-02-12T06:08:10.205+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(20) CHAPTER 7 [P210〜P225]<strong><P210></strong><br />ローリーの指の跡とゴーグルに映ったアーチーの機首が、ピースマークと破滅時計の双方を形作っている。<br /><br /><strong><P211><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL7</span></strong><br />ローリーはゴーグルと同じ位置に触れている。光が灯ったことで、コスチュームとアーチーに再び命が宿ったかのように見える。<br /><br /><strong><P213><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL7</span></strong><br />画面右端のケースの中のナイトオウルの像に注目。先輩のホリス・メイソン同様、引退の際に贈られたものか。<br /><br /><strong><P215><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br />記念品のケースの上には、フクロウの剥製らしきものが飾られている。かつてのペットか。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL7</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ハーバード</span>:1636年に創立されたアメリカ最古の大学(私立)。ボストン郊外のケンブリッジ市に位置し、世界でも有数の名門校として知られる。<br /><br /><strong><P216><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">77年には〜</span>:反ヒーロー暴動の夜のことか(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P56</span>参照)。血は争えないらしい。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL5</span></strong><br />シートは、床の溝に沿って動く仕組みになっている(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P218 PANEL4</span>の三面図を参照)。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">G.I.ジョー</span>:1964年にハズブロ社が発売した世界初のアクションフィギュア。59年にライバルのマテル社が発売した女児向け着せ替え人形「バービー」の成功を受けて企画されたとされ、第二次大戦時の米軍をテーマに、ベトナム戦争開始当時の”戦記ブーム"に乗って大ヒットを記録した。21箇所が可動する約30cmのフィギュアを中心に、フィギュアに装備できる機関銃や迷彩服など、様々なアクセサリーを販売。トランスフォーマーと並ぶハズブロ社の主力商品として、形を変えながら今なお展開されている。ちなみにG.I.ジョーとは、第二次大戦時のアメリカ兵の俗称で、G.I.は、Government Issue(官給品)の略。<br />ところで、G.I.ジョーが女の子向けの玩具でないのは言うまでもないが、ローリーは1949年生まれなので、発売時は既に15歳だったことに…。<br /><br />オレンジのユニフォームには放射能標識が描かれており、放射能防御機能があるものと思われる。なお、これらの特殊コスチュームは、極地用の白いバットスーツなど、様々な用途のコスチュームが登場する1950年11月発売の『ディテクティブコミックス』#165「バットマンの奇妙なコスチューム」が元ネタだろう。<a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SkxEAktD7fI/AAAAAAAAAFk/1iUri1cbpWk/s1600-h/detective165.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 219px; height: 320px;" src="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SkxEAktD7fI/AAAAAAAAAFk/1iUri1cbpWk/s320/detective165.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5353728833680043506" /></a><br /><center>『ディテクティブコミックス』#165の表紙。</center><br /><br /><strong><P217><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL5</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">『王様の剣』</span> :1963年公開のディズニー長編アニメ映画。6世紀のブリテンに君臨した伝説の王アーサーの若き日の冒険を描いている。T・H・ホワイトが39年に発表した児童小説『永遠の王』の第一部を映画化したもので、みなしごの少年ワートが魔術師マーリンに見初められ、岩に刺さった剣を引き抜き、王の証を立てるまでを描いている。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">アルキメデス</span>:マーリンが飼っている喋るフクロウ。原作小説にも登場する。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">魔術師マーリン</span>:アーサーの助言者である魔術師。ワート少年の王たる資質を認め、彼に英才教育を施す。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL8</span></strong><br />本作では使用されなかったが、現役時代のナイトオウルは、バットマンばりにスーパーカーや小型ヘリを駆使していたらしい。<br /><br /><strong><P218><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">円卓騎士団</span>:アーサー王に仕えた騎士たちの呼び名。君主と臣下という身分の区別を嫌ったアーサー王は、配下の騎士たちを上座下座のない円卓に着かせた。いつしか円卓は、アーサー王の宮殿キャメロットの象徴となり、騎士たちは円卓の騎士と呼ばれるようになったのである。<br /><br />三面図の内部図解によれば、エンジンスペースは非常に小さく、キャビンの後ろに2台のホバーバイクが収納してあるのがわかる。<br /><br /><strong><P219><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">コートのボタンは全部ついていた</span>:ロールシャッハは、ブレア・ロッシェ誘拐事件の際にコートのボタンとショルダーストラップが外れて以来、修繕せずにずっとそのままにしていた。コートは事件の際に着ていたもの以外にも、少なくとも1着は替えがあったようだが、そちらも同じ位置のボタンと肩ベルトが取れたままになっていた。取れた姿こそが”真”のロールシャッハだと考え、自ら千切ったとも考えられる(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P12 PANEL1</span>、<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P200 PANEL4</span>、<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P318 PANEL2</span>参照)。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL9</span></strong><br />ゴーグルには時刻表示機能もある。<br /><br /><strong><P220><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ニュートリノ</span>:物質を構成する最小単位、素粒子の一種。1930年代にその存在が提唱されたものの、質量がゼロに等しく観測が極めて困難なため、今なお未解決の事象が多い。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL2</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ディーボ</span>:1974年にオハイオ州で結成されたテクノ・バンド。1978年のアルバム 『頽廃的美学論』で、世界中にテクノ・ニューウェイブムーブメントを巻き起こした。なお、ディーボ(DEVO)とは、De-Evolution(退化)の略称で、彼らのテーマである「人間退化論」を象徴している。<br />エナジードームと呼ばれる奇妙な帽子や、ゴーグル、黄色のジャンプスーツなど、アート色の強い衣装が特徴。いかにもパンクなペイル・ホースとは、少なくとも見た目的には似ていないように思えるが…。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://2.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SkxELJjDGoI/AAAAAAAAAFs/LFr0xpUBjII/s1600-h/devo.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 320px; height: 213px;" src="http://2.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SkxELJjDGoI/AAAAAAAAAFs/LFr0xpUBjII/s320/devo.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5353729015368850050" /></a><center>ディーボ</center><br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ビリー・ホリディ</span>:実在の黒人女性ジャズ・シンガー(1915〜1959)。史上最高のシンガーと評されるが、その生涯は、貧困、人種差別、薬物有毒など、波乱の連続であった。1945年生まれのドライバーグにしては渋い趣味。普通ならこの世代はロックだろう。<br /><br /><strong><P221><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">悪魔のように〜</span>:ポーランドでは、挽いたコーヒー豆を厚手のグラスに入れ、お湯と砂糖を加え、豆がらが底に沈むのを待って飲むのが一般的だという。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span></strong><br />テレビの上のフクロウの置物に注目。初代ナイトオウルから贈られたものか(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P15 PANEL4参照</span>)。<br /><br /><strong><P222><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br />ニュースの内容から、本章は10月25日から26日にかけての出来事だとわかる。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL7</span></strong><br />ニュース映像の戦車は、当時のソビエト軍の主力中戦車T-62か。<br /><center><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SkxDwx6LrRI/AAAAAAAAAFc/rAHuUoF3jIc/s1600-h/ace72155.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 320px; height: 206px;" src="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SkxDwx6LrRI/AAAAAAAAAFc/rAHuUoF3jIc/s320/ace72155.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5353728562346831122" /></a>(画像はAce製プラモデル・パッケージ絵)</center><br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL8</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ヒロシマ特集</span>:DR.マンハッタンが読んだ号と同じものだろう(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P132 PANEL6</span>参照)。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL9</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">グリーナム・コモン基地</span>:イングランド南東部バークシャー、グリーナム・コモンには米空軍の基地が置かれ、対ソ戦略の一翼を担っていたが、1982年、レーガン政権の陸上発射巡航ミサイル配備決定に際し、女性平和活動家を中心とする3万人が「人間の鎖」で抵抗、ミサイルの搬入を阻止した。反戦運動はその後も続き、2000年、ついに米軍基地は撤去された。イギリスの反戦運動の象徴であるグリーナムだが、劇中ではあえなく鎮圧されてしまった模様。<br /><br />画面奥の電気パトカーに注目。<br /><br /><strong><P223><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">マンハッタン・トランスファー</span>:1972年に結成された男女各2名による人気コーラスグループ。DR.マンハッタンによる”トランスファー=転送”の駄洒落。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span></strong><br />例のニューススタンドの角を曲がったところが高次空間研究所の入口。画面左端にバーナードとバーニィの姿がちらりと見えている。<br /><br /><strong><P224><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL2</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">チャリティ公演</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P23 PANEL6</span>参照。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span></strong><br />机の上に置かれたノヴァ・エクスプレスの表紙のDR.マンハッタンが二人の様子を覗いている。<br /><br /><strong><P225><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3-4</span></strong><br />時計を見ると、ドライバーグは実に4時間以上もがんばったようだが…。<br /><br />人気バンド、ペイル・ホースのリーダー、レッド・デスが初登場。この二人が実況と解説とは、どんな番組だろうか。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL2</span></strong><br />時計によれば、放送終了は午前2時。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-16717458460889905262009-06-29T03:19:00.002+09:002009-06-29T03:22:02.412+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(19) CHAPTER 6 [P205〜P207]<strong><P205></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span><br />新聞には、サイレンが鳴ったら直ちに手近なシェルターに避難せよと書かれている。50年代の対処法とまるで変わっていない。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL9</span></strong><br />章末の言葉は、ドイツの哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(1844〜1900)が1886年に著した『善悪の彼岸』よりの一節。キリスト教的価値観に基づく伝統的な善悪の概念を非難した。他者に依ることのない確たる自我の持ち主である新しい人類、「超人」の提唱者でもある。<br /><br /><strong><P205></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ショー巡査</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P168 PANEL4</span>参照。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">グリーブス巡査</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P169 PANEL4</span>参照。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ハーベイ・チャールズ・ファーニス</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P131 PANEL6</span>参照。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">懐中電灯</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P12 PANEL2</span>参照。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">角砂糖の包み</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P17 PANEL6</span>参照。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">枯れた赤い薔薇</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P68 PANEL6</span>参照。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">鉛筆1本、手帳1冊</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P20 PANEL1</span>参照。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">男性用香水ノスタルジア</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P98 PANEL8</span>参照。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">黒胡椒</span>:<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P167 ANEL3</span>参照。ただし2瓶とあるので、モーロックの家で入手する以前から、1瓶持っていたものと思われる。<br /><br /><strong><P206></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">リリアン・チャールトン問題児収容所</span>:架空の施設と思われる。『ウォッチメン』のキャラクターの基になった一連のコミックスの出版元であるチャールトンコミックスに由来するものか。<br /><br /><strong><P207></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">70年代中頃まで勤務</span>:75年のブレア・ロッシュ誘拐事件を機に、”真"のロールシャッハとして目覚めた彼は、俗社会との交わりを絶ったと推察される。<br /><br /><strong><P208></strong><br />筆記の日付が1963年となっているが、コバックスが13歳の時に書いたものであるとすると、1953年のはず。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-74822077609969453182009-06-23T01:06:00.002+09:002009-06-23T01:08:51.304+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(18) CHAPTER 6 [P190〜P203]<strong><P190><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">昨日の続き〜</span>:この日は10月27日。この日は日曜であるにもかかわらず、ロングはロールシャッハに面接している。彼のロールシャッハに対するのめり込みぶりがわかる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />奥の壁に貼ってあるポスターは、ビートルズのものか? ビートルズは1964年2月にニューヨークで公演を行っている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />悪党たちが縛りつけられているのは、おなじみの公衆充電器。恐らく1964年の出来事かと思われるが、62年5月の時点で電気自動車はあくまでも構想段階だったので(<span style="color:#99FFFF;">P123</span>参照)、わずか1年ほどで急速に普及したものと思われる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br />ナイトオウルの引き締まった腹に注目。<br /><br /><strong><P191><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />ロールシャッハとロングの間には、二人の断絶を象徴するかのような鉄格子の影が落ちていたが、このコマを最後にその影はなくなる。このページのロールシャッハのコマだけを見ると、彼がこちらに(ロングに)近づいてきているようにも見える。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br /><span style="color:#99FFFF;">P51 PANEL4</span>を別角度から描いている。事態の深刻さにおののく男性陣に比べ、ローリーとスレイターはDR.マンハッタンしか目に入っていない。本作における女性像が顕著に表れたシーンと言えよう。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />新聞の見出しなどから、このシーンは1977年8月の出来事だと思われる。<br /><br /><strong><P192><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />ロングが空になった鎮痛剤のビンをゴミ箱に捨てている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />時計はやはり11時54分。<br /><br /><strong><P193><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ロッシュ化学</span>: 1896年にスイスで設立された実在の大手製薬会社。日本ではロシュとして知られる。世界的な販売網を誇り、アメリカではニュージャージーなど、6ヶ所に拠点を持つ。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br />時計はやはり11時54分を指している。<br /><br /><strong><P194><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#99FFFF;">P58 PANEL3</span>でコメディアンが触れていた事件。彼は3年前の事件と記憶していたが、実際には2年前である。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />忌まわしい光景を覗き見るロールシャッハの姿は、幼少期の自身の姿に重なる(<span style="color:#99FFFF;">P179 PANEL6</span>参照)。<br /><br /><strong><P198><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">フレッド、バーニィ</span>:1960年に放映が開始された人気アニメ『恐妻天国/原始家族/フリントストーン』の主人公、フレッド・フリントストーンと彼の親友のバーニィ・ラブルにちなんだ名前だと思われる。無邪気な由来が余計に不気味。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br />ちょっとわかりにくいが、このグライスの姿は窓ガラスに映った影。<br /><br /><strong><P199><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />中庭から室内に向けて犬を放り込んでいる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />今度は表の入口から中に向けて放り込んでいる。20kg以上ありそうなシェパードを抱えて中庭から表通りに瞬時に移動するとは、ただ者ではない。<br /><br /><strong><P200><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />胸に広がる返り血と、外れたショルダーストラップ、胸のボタンは、”真"のロールシャッハの象徴でもあるが、返り血と肩のストラップが描く角度は、11時54分を指した終末時計に通じるものがある。<br /><br /><strong><P203><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ロレックス</span>:実在の高級腕時計。この屋台で売られているのは間違いなく偽物だろう。<br />画面左奥のタクシーの運転手はジョーイ。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />メルトダウンの包みを捨てたバーニィ少年が立ち去ろうとしている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />真逆のシルエットになってしまった。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br />画面奥を飛ぶ飛行船の位置で、微妙な間を表現している。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-64958400200617640042009-06-21T00:52:00.004+09:002009-06-21T00:57:55.616+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(17) CHAPTER 6 [P176〜P189]またまた大変お待たせしております。投稿再開します!<br />時々滞ることもございますが、最後まで続けていきますのでどうぞおつきあいください。<br /><br /><strong><P176></strong><br />ロールシャッハのオリジンを描いた本章では、この扉絵のように左右対称に拘った構図、描写が頻出する。<br /><br /><strong><P177></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ロールシャッハ・テスト</span>:スイス出身の精神科医ヘルマン・ロールシャッハ(1884〜1922)が1921年に考案した投影法型心理テスト。左右対称のインクの染みを図案化した10枚のカードを1枚ずつ被験者に見せ、それが何に見えるか、口頭で答えさせ、被験者の性格を診断する。80年以上の長い実績に裏打ちされたデータの蓄積は高く評価されており、今なお、最も使用頻度の高いテスト法とされる。なお、劇中に登場するカードの図柄は本作のオリジナルで、実際に使用されるカードにはカラーのものも含まれている。<a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sj0GbqJ-edI/AAAAAAAAAFE/wAXJt2majlQ/s1600-h/inkblots.jpg"><img style="margin: 0px auto 10px; display: block; text-align: center; cursor: pointer; width: 182px; height: 320px;" src="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sj0GbqJ-edI/AAAAAAAAAFE/wAXJt2majlQ/s320/inkblots.jpg" alt="" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5349439004628384210" border="0" /></a><center>さまざまなロールシャッハ・カード</center><br /><br /><strong><P178></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span><br />身長167cm:80年代当時のアメリカ人の平均身長は175〜177cmとされるので、ロールシャッハは小柄な部類に入る。上げ底の靴を履いていたというが、もちろん見栄ではなく、正体を隠し、相手を威圧するためだと思われる。なお、64kgという体重は身長に対してほんの少し多めだが、贅肉の欠片も見えないので、体重超過分はほぼ筋肉なのだろう。<br /><br /><strong><P179></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL2</span><br />抱き合う二人の姿は、後の「ヒロシマの恋人たち」に重なる。このモチーフは、この後も頻繁に登場する。<br /><br /><strong><P180></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">5ドル</span>:インフレ率などを考慮すると、1951年当時の1ドルは、2009年現在の約8ドルに相当するという。そうやって換算すると、コバックスの母は約40ドルを手に入れた事になる。仕事ヌキで40ドルなら悪くない気もするが、あの客はもう来ないだろう事を考えると、息子を責めたくなる気持ちもわからないではない。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL8</span></strong><br />前ページの2コマ目とほぼ同じ構図だが、描かれる内容は…。<br /><br /><strong><P182></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL7</span><br />尻のポケットにパチンコを差したいじめっ子が店先から果物を失敬している。一見、卵のようにも見えるが、木箱に山積みにされている点や、割れ方、中身の色から、何かの果物だと思われる。<br /><br /><strong><P183></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span><br />コバックス少年の顔に広がる果物の汁は、ロールシャッハ・テストを思わせる。このモチーフも頻出する。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL2</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">親父が軍に〜</span>:入隊の際の性病検査は、洋の東西を問わず、軍隊の常識だった。<br /><br />リッチーと呼ばれたいじめっ子は、ニューヨーク・ヤンキースのTシャツを着ている。1951年当時のニューヨークには、ヤンキースの他に、ブルックリン・ドジャーズ(後にロサンゼルスへ移転)、ニューヨーク・ジャイアンツ(後にサンフランシスコに移転)と、三つの球団がひしめいており、その中でヤンキースのシャツを着ているということは、彼らはヤンキースの本拠地であるブロンクス地区の住人である可能性が高い。ブロンクスは移民の多い街として知られており、60年代以降、アフリカ系、ヒスパニック系住人が増える以前は、アイルランド、イタリア、ユダヤ系が大半を占めていたという。<br /><br /><strong><P184></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL5</span><br />ロング夫妻の影は「ヒロシマの恋人たち」そのもの。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL8</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">シンシン刑務所</span>:ニューヨーク州北部のオシニングに位置する実在の刑務所。最高度の警備レベルで知られる。<br /><br />卓上のコーヒーカップに、DAD(パパ)の文字が見えるが、夫妻には子供はいないようだ。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL9</span></strong><br />万年筆から漏れたインクがロールシャッハ模様を描いている。<br /><br /><strong><P164></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span><br />“素人"時代のコバックスは、実に表情豊か。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL2</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">62年</span>:DR.マンハッタンの誕生は59年11月なので、約2年後。モーロックら犯罪者と戦っていた時期だが、このような、直接、産業には結びつかない研究も行っていた模様。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL5</span></strong><br />ロングが愛用している鎮痛剤ゴーペインは、ヴェイト社の製品。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">キティ・ジェノヴィーズ</span>:この殺害事件は、実際に起きた事件である。<br />1964年3月13日、スポーツバーのマネージャーだった当時28歳のキティ・ジェノヴィーズは、深夜、マンションに帰宅したところを機械オペレーターのウィンストン・モーズリーに襲われた。入口から約30メートルの地点でキティをナイフで刺したモーズリーは、彼女の悲鳴を聞きつけた住人が声をかけたため、一旦は逃走。大きな帽子で顔を隠したモーズリーは約10分後に現場に再び現われ、倒れていたキティを再び刺し、強姦した上、現金を盗んで30分後に逃走。事態に気づいた住人が警察を呼んだものの、彼女は搬送中に死亡した。後に盗みを働き逮捕されたモーズリーは、キティ殺害以外にも2件の強姦殺人を自供。終身刑を宣告され、現在も服役中である。<br />事件発生から2週間後、地元紙ニューヨーク・タイムスが、38人の住人が事件を目撃しながら通報しなかったと告発したことから、事件は一気に社会問題化し、他人に冷淡な都会生活者への非難が続出。「巻き込まれたくない」「誰かが何とかするだろう」という群集心理を指して「バイスタンダード・エフェクト(冷淡な傍観者)」という言葉が使われるようになった。<br />実際には、まだ寒い時期で誰も窓を開けていなかったこと、酔っぱらいか痴話喧嘩と思った人間がほとんどだったこと、二度目の襲撃までの間にキティが移動していたため事件の全てを目撃した人間はいなかったこと、最初の襲撃で肺を刺された彼女にはそれ以上悲鳴が上げられなかったことなど、住人の無関心を一方的に責めるべき状況ではなかったというが、この事件をきっかけに、警察を含めた都市生活のあり方の見直しと社会心理学の重要性が叫ばれるようになったのは事実である。<br />なお、当時のコミックスで、このような個人の殺人事件を取り上げることは極めて異例であり、ある意味、これもタブーへの挑戦と言えるかもしれない。<br /><br /><strong><P189></strong><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span><br />垂れたコーヒーの雫がロールシャッハ模様を描いている。<br /><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL5</span><br />時計はやはり11時54分。ロングに破滅が忍び寄っていることの暗示か。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-76101687654230461012009-05-11T05:42:00.003+09:002009-05-11T05:48:07.509+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(16) CHAPTER 5 [P171〜P173]<strong><P171></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">反コミックス運動</span>:第二次大戦後、アメリカンコミックスの主流であったヒーローものの人気は低迷し、代わってホラーもの、犯罪ものが台頭してきた。これらの"刺激"が強いコミックスは、主に青年層が対象だったというが(誕生当初、コミックスは子供のための読みものだったが、大戦中、兵士が戦場でコミックスを読み耽ったことから、読者層が広がったとの説がある)、その内容は過激さを増し、一部、評論家や教育関係者から児童への悪影響が問題視されるようになっていった。そして1954年春、上院少年非行小委任会が、少年非行の原因としてコミックスを名指ししたことから、全国的な反コミックス運動が起こり、焚書や発禁措置を引き起こした。<br />この事態に対しコミック業界は、内容の自主規制で対応したが、作品世界においては、政府が配下のヒーローのイメージを守るため、現実同様に沸き起こったコミックス排斥運動を静めたとされている。<br />政府の糾弾がコミック業界を危機的状況に追い込んだ史実からするといかにも皮肉な展開だが、ムーアなりの抗議とも言えるだろう。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">EC社</span>:エンターテイニングコミックスの略。世界初のコミックブック『ファイマス・ファニーズ』を企画し、コミックスの父と言われたマックス・ゲインズ(1894〜1947)が、1944年にDCコミックスから分かれる形で興した出版社(ECという名称にはDCの次という意味もあった)。<br />マックスの死後、同社を受け継いだ息子ウィリアムは、1950年にホラーもの3タイトル『ヴァルト・オブ・ホラー』『テールズ・フロム・クリプト』『ホーント・オブ・フィアー』を創刊し、悪化する一方だった業績の回復を狙ったが、ヒーローものの人気低下とも相まってこれらの新タイトルは大ヒットを記録。その後も同社は犯罪もの、戦争ものなど、刺激的な作品群を連発し、一躍コミック業界にその名を轟かせた。<br />ホラーブームに沸いたコミック業界は、1953年にはついに年間総販売数8億部という史上空前の売上を達成するが、内容の過激さはエスカレートするばかりで、ついに政府当局の目に止まることになる。同年、心理学者フレデリック・ワーサムが発表した、コミックスの児童への悪影響を訴えた書籍 『無邪気さの誘惑(原題:SEDUCTION OF THE INNOCENT)』の主張に、赤狩りの余韻の残る世論が同調したことで、全国的な反コミックス運動が起きたのである。批判の矢面に立たされる恰好になったEC社は、1956年には発行タイトルの全廃刊を決定。ギャグ雑誌『MAD』に光明を見出していく。<br />一方、各出版社は共同で、暴力、性などの描写を厳しく規制するコミックス・コードを制定。自ら内容規制に乗り出すが、その後の数年で、コミックス専門出版社の29社中24社が廃業に追い込まれるなど、あまりに大きな痛手を負った(1960年時点での年間総販売数は約1億8千万部)。その後、一度は姿を消したスーパーヒーローたちが装いも新たに復活し、アメリカンコミックスの主流となっていくが、こと部数という点では、1950年前半の"黄金時代"には及ぶべくもなかった。<br />ECコミックスの隆盛は、結果的にコミックス全体の衰退を招いてしまったが、ジャック・デイビス、ハービー・カーツマン、ウォリー・ウッド、アル・ウィリアムソン、フランク・フラゼッタなど、多くの名アーティストを輩出した実績は今なお高く評価され、その遺産は、作家スティーブン・キング、映画監督ジョージ・A・ロメロなど、コミックス以外の分野にも広く受け継がれている。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">エドガー・フーバー</span>:(1895〜1972) 1924年から72年に死去するまで、約半世紀にわたってアメリカ連邦捜査局(FBI)長官の座にあった人物。自ら育て上げた強大な組織を意のままに操り、影の大統領とまで評された。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ナショナルコミックス</span>:『ウォッチメン』の発売元であるDCコミックスが、当時、使用していた社名。DCコミックスの"DC"とは、同社で最も古いタイトルである『ディテクティブコミックス(DETECTIVE COMICS)』の頭文字で、長く愛称として使われてきたが、実際の社名は"ナショナル"のままだった。社名が正式にDCコミックスとなったのは、1976年のことである。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">『黒の船』</span>:作品用に創造された架空のコミックス。1960年5月創刊で31号続いたということは、1962年11月まで発売されたことになる。ただし、当時は隔月刊のコミックスも多かったので、その場合は64年6月までの発売となる。ちなみに、実際に1960年5月に創刊されたDCのタイトルは『グリーンランタン』。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">再販</span>:DCは『テイルズ〜』の初期30号を再販しているということなので、バーニィが呼んでいる『テイルズ〜』も、そのリプリント版だと思われる(3話で読んでいたのが23号で、5話から11話にかけて読んでいたのが24号)。<br />ちなみに、創業当初、発行部数が少なかったマーヴルコミックスは、後に、新規のファンに向けて盛んにリプリントを行ったが、DCは、30号とまとまった形でのリプリントはほとんど経験がない。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">『パイレシー』</span>:ECコミックスが発売していた実在の海賊ものコミックス。1954年10月から55年10月にかけて7冊が発売された。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sgc8biS7XhI/AAAAAAAAAEs/txhAftovTAY/s1600-h/Piracy.jpg"><img style="margin: 0px auto 10px; display: block; text-align: center; cursor: pointer; width: 223px; height: 320px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sgc8biS7XhI/AAAAAAAAAEs/txhAftovTAY/s320/Piracy.jpg" alt="" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5334298727403970066" border="0" /></a><center>「パイレシー」 #1の表紙</center><br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">『バッカニア』</span>:同じく実在の海賊ものコミックス。作品中ではECコミックス発売となっているが、実際にはクオリティコミックスから発売された。1950年1月から51年5月にかけて8冊を刊行。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sgc8poC_qoI/AAAAAAAAAE0/4rpGZjMm4l8/s1600-h/baccaeers.jpg"><img style="margin: 0px auto 10px; display: block; text-align: center; cursor: pointer; width: 222px; height: 320px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sgc8poC_qoI/AAAAAAAAAE0/4rpGZjMm4l8/s320/baccaeers.jpg" alt="" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5334298969465924226" border="0" /></a><center>「バッカニア」#23の表紙</center><br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ジョー・オーランドー</span>:(1927〜1998) 実在のコミックアーティスト。50年代から、ECコミックスを中心にホラーものなど様々な分野で活躍し、68年からはDCコミックスの編集者となり、後に副社長にまで昇格した。92年からはギャグ雑誌『MAD』の共同発行人も務めた。なお、ムーアが『テイルズ〜』の初代アーティストとしてオーランドーを取り上げたのは、もし実際にこうした海賊ものコミックスが発売されていたら、編集長のシュワルツは間違いなくオーランドーを起用していただろうと考えたためである。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ジュリアス・シュワルツ</span>:(1915〜2004) 実在のコミック編集者。1944年から86年の引退まで、スーパーマン、バットマンなど、DCコミックスの主だったタイトルの編集長として辣腕を振るった。古参のSFファンとしても有名で、レイ・ブラッドベリとは特に親交が深かった。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">引き抜いた</span>:オーランドーは1968年にDCに入社するまでフリーランスを通しており(DCでの初仕事は66年)、全くの創作である。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">マックス・シェア</span>:性格や振る舞いから判断して、ムーアは自らをシェアのモデルにしていると思われるが、シェア同様、やがて(一時期)コミックスの表舞台から消えることになる。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">三文オペラ</span>:ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトと作曲家カート・ヴァイルの手になる戯曲。18世紀の古典 『乞食オペラ』の翻案で、社会の偽善を鋭く風刺した。1928年初演。<br /><br /><strong><P172></strong><br />挿絵は、ジョー・オーランドー本人が、1960年代当時の雰囲気で描いたもの。<br /><br />挿絵の英文の訳:<br />この召使いも疲れ切ったで、鍋に落として皮を剥げ。皮から太鼓を作りだし、撃ち鳴らす間に大砲を撃て。大砲から生首撃ちだして、海をラム酒で燃やし尽くせ<br /><br />俺が歩くは曲がった板子。天まで臭う塩漬け地獄。おめえらの世界とて変わりはせぬ。悪徳坊主はおしろい塗って、納骨堂までしゃなりと歩き、富み栄えるのは女と睦む卑劣な悪党どもばかり<br />(訳:海法紀光)<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">エドワード・ティーチ</span>:1716年から18年にかけてカリブ海を荒らし回ったイギリス出身の海賊。豊かな黒髭がトレードマークで、その姿は海賊の一般的なイメージとなった。最後はイギリス軍との戦いに敗れ、首をはねられたという。<br /><br /><strong><P173></strong><br />背景に置かれたDCのロゴマークは、1949年から70年にかけて使用されたもの。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://2.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sgc805jxvqI/AAAAAAAAAE8/BExPAGZ-1GQ/s1600-h/nclogo.gif"><img style="margin: 0px auto 10px; display: block; text-align: center; cursor: pointer; width: 124px; height: 115px;" src="http://2.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sgc805jxvqI/AAAAAAAAAE8/BExPAGZ-1GQ/s400/nclogo.gif" alt="" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5334299163145387682" border="0" /></a><center>DCの初代ロゴ</center><br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ウォルト・ファインバーグ</span>:架空のコミックアーティスト。オーランドーの後を継ぎ、『テイルズ〜』の10号から最終号までの作画を手掛けたとされる。ファインバーグの作とされている絵は、もちろんギボンズが描いているが、ファインバーグの経歴はギボンズのそれと共通点があるようには思えない。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">西部劇</span>:アメリカの時代劇とも言うべき西部劇には、小説であれ映画であれ、常に子供向けの作品が存在していたが、コミックスでも一つのジャンルとして高い人気を誇った。そのピークは1948年から58年であるとされ、ほとんどの出版社が西部劇を発売していた。<br />この時期はTVでも子供向け西部劇が人気を博しており、それらの主人公を主役にしたタイアップコミックが数多く発売され、中には、大御所中の大御所であるジョン・ウェインが主人公のシリーズまであった。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ギル・ケイン</span>:(1926〜2000) 実在のコミックアーティスト。40年代から亡くなる直前まで、およそ考えうる出版社、キャラクター、ジャンルの全てを手掛けたベテランアーティスト。確かなデッサン力に裏打ちされた独特のデフォルメセンスは、数多くのアーティストの手本となった。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">アレックス・トス</span>:(1928〜2006) 同じく実在のコミックアーティスト。高校卒業後の47年からDCで仕事を始め、60年代からはTVアニメに進出し、ハンナ・バーベラを中心に多くの番組のキャラクターデザインを務めた。ぎりぎりまで簡略化されながらも雄弁な描線が持ち味。<br /><br /><strong><P174></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">居場所は不明</span>:この『宝島』というコミック研究書が1984年に発売されたということは、シェアは84年か83年にヴェイトに雇われたことになる。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">オーバーストリート・プライスガイド</span>:実在のコミックプライスガイド。ボブ・オーバーストリートが編集長を務め、1970年の創刊以来、毎年、改訂版が発行され続けている。19世紀末のコミックス創世記から現在までにアメリカで発売されたほとんどのコミックスを網羅しており、コミックスカタログとしての意味合いも大きい。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">千ドル</span>:1984年の時点で千ドルのプレミアがついているとは、スパイダーマンの初登場号である『アメイジング・ファンタジー』#15が、1982年の時点で同じ千ドルだったことを考えると、『黒の船』はかなりの人気タイトルと言えよう(ちなみに、2009年現在の『アメイジング〜』#15の相場は、コンディションにもよるが、約5万ドル)。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-27638674775770686532009-05-05T14:52:00.002+09:002009-05-05T14:55:20.145+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(15) CHAPTER 5 [P155〜P170]<strong><P155><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />ヴェイトの卓上に置かれたキーボードには、見慣れない記号が並んでいる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />画面下の階段はエスカレーターと思われるが、それにしては形が不自然。単なる作画のミスか、あるいは意図的にやっているのか。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">10ポンド</span>:約4.5kg;。<br /><br /><strong><P156><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />対称形の中央にあたるコマ。水面周辺など可能な限り、対称形にこだわっている。<br /><br /><strong><P157><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />ヴェイトの胸のバラに飛び散った血は、ピースマークの血痕を連想させる。<br /><br /><strong><P159><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />タクシー運転手のジョーイらしき女性がゴミを捨てている。<br /><br />画面右からはコバックスが近づいてきている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">害はない〜</span>:1パイントは約473ml。海水は、海水に含まれる塩分を排出するために飲んだ海水以上の水分が必要となるため、このような場合でも飲んではならないとされているが、この程度ならば、ぎりぎり許容範囲内だという。<br /><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6、PANEL4</span>を逆方向から見ている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br />先ほどは見つからなかったのか、またゴミ箱を探している。<br /><br /><strong><P160><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />今度は見つかった。ジョーイの務めるプロメシアン・タクシーがヴェイトの傘下にある事を考えると、彼女がメッセージを運んだとも考えられる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />意外にキチンと畳んである。真の自分に戻る手段だけに、こだわりがあるのか。<br /><br />壁に貼られたポスターは、ヴェイト社の香水ノスタルジアのポスター。詳細は<span style="color:#99FFFF;">P343</span>参照。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />袖のボタンに注目。上着だけでなく、シャツも着替えていることがわかる(路地裏で下着姿になっているコバックスを想像したくはないが…)。ここで自室のシーンを見返すと(<span style="color:#99FFFF;">P153 PANEL1</span>)、上着やシャツはコバックスのものであり、服までは着替えたものの、マスクを脱ぐ前に眠り込んでしまったことがわかる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br />強盗と被害者女性のシルエットは、チンピラが描いた落書き"ヒロシマの恋人たち"を連想させる。<br /><br /><strong><P161><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />このページは、<span style="color:#99FFFF;">P152 PANEL4</span>と、二人の立ち位置や表情も含め対称になっている。ガンガ・ダイナーでは勇気を出したドライバーグだったが、今度は一歩が踏み出せなかった模様。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />ベッドの脇の机の上の本は、ホリス・メイソンの自伝『仮面の下で』。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">サイテーだな〜</span>:期待しても無理はない状況ではあるが…。<br /><br /><strong><P163><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ハスラー</span>:1974年に創刊された実在のポルノ雑誌。先行する『プレイボーイ』や『ペントハウス』よりもえげつない描写で人気を得た。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />右目から流血するサメの頭は、ピースマークを連想させる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ピンク・トライアングル</span>:ナチスは、ユダヤ人だけでなく、同性愛者も迫害の対象として強制収容所に送った。収容者の服には、その罪状に応じて布製の三角のバッジが縫いつけられていたが、同性愛者のバッジの色はピンクで、このバンドの名はその故事に由来していると思われる(ただし、ピンクのバッジをつけていたのは、いわゆるホモセクシャルの男性で、レズビアンの女性のバッジの色は黒だった)。なお、ピンクの三角形は、70年代以降、ゲイリブ運動のシンボルとなっている。<br />ポスターの右下に書かれた"BENEE"、"CONCE"の文字は人名と思われるが、ピンク・トライアングル以外の出演者だろうか?<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br />ジョーイが手にした『ハスラー』の裏表紙にパイプ・タバコの広告が載っている。キャッチフレーズの「FOR SMOKERS WITH BALLS」は「ホネのある喫煙者に」の意味だが、"BALLS"には、ホネと睾丸の二重の意味がかけられている。なお、パイプ・タバコを吸うこと自体は日常的な行為であり、"ホネがある"とは、ニコチンの量が多いといった意味だろう。<br /><br /><strong><P164><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />作品世界では、プッシュホンに*と#のボタンがないことに注意。ランプが光って着信を知らせているが、効果音を廃したための処置でもある。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />レコードとは、グレイトフル・デッドの1969年のアルバム『AOXOMOXOA(アオクソモクソア)』のこと。見ての通り、対称形のタイトル。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sf_UebCY3VI/AAAAAAAAAEk/I36rr-SStwc/s1600-h/ax.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 320px; height: 298px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sf_UebCY3VI/AAAAAAAAAEk/I36rr-SStwc/s320/ax.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5332214102948896082" /></a>デザインも対称形の「AOXOMOXOA」ジャケット<br />。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />ボークイン刑事が持っているエドワード・ブレイクの事件ファイルの番号「801108」も対称形。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />"ロー・シャーク"とは、生のサメという意味になるが、ロールシャッハは英語読みでは"ローシャック"になるので、ファイン刑事がそう聞き間違えたのも無理はない。<br /><br /><strong><P166><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">アンダーボス</span>:詳細は不明だが、組織犯罪のボスで、地下にアジトを持っていたと思われる(<span style="color:#99FFFF;">P339 PANEL5</span>参照)。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ジミー・ザ・ギミック、キング・オブ・スキン</span>:かつてのロールシャッハの宿敵。名前からすると、前者は様々な小道具を駆使し、後者は変装の名人とも思えるが、詳細は不明。<br /><br /><strong><P167><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />卓上にあったコショウをポケットにぶちまけている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />ロールシャッハが手にしたヘアスプレーもヴェイト社製。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />マッチを手にしている。<br /><br /><strong><P169><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />先ほどのコショウが役に立った。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />ロールシャッハの手前に見えるのは、モーロックの寝室の戸棚に置かれた聖母像(後ろからアップで見たところ<span style="color:#99FFFF;">P61 PANEL9</span>参照)。<br /><br /><strong><P170><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL10</span></strong><br />章末の詩は、18世紀末から19世紀初頭に活躍したイギリスの画家・詩人ウィリアム・ブレイクが1794年に発行した詩集『無垢と経験のうた』に収録された「虎」の一節。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-89554762897333303472009-05-01T02:11:00.006+09:002009-05-01T02:19:16.475+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(14) CHAPTER 5 [P142〜P154]<strong><P142></strong><br />Rを並べたラムランナーのロゴマークは、海賊旗を連想させる。<br /><br />画面上部にロールシャッハの帽子がかすかに見えている。<br /><br />画面左上の新聞は、前日10月20日のもの。「夜半、激しい雷雨」との予報だが、今日もまだ雨が降り続いている。<br /><br /><strong><P143><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />水たまりを踏んでいるのはロールシャッハの足。以後、ロールシャッハは、この水たまりを何度も踏むことになる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />画面右に酒場「ラムランナー」のネオンが見える。2話でネオンの存在は示唆されていたが、実際に描かれるのは初めてである。<br />張出窓の右上の窓がモーロックの寝室。すぐ隣にネオンがあるので、どうにも落ち着かないと思うのだが、彼の今の懐具合では贅沢も言っていられないのだろう(<span style="color:#99FFFF;">P61-63</span>参照)。<br /><br /><strong><P145><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />机に置いてあるのは、TV情報誌の定番『TVガイド』。家ではいつも、この椅子に座ってTVを眺めているのだろう。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ゴルディアン・ノット</span>社製の鍵は、またも役目を果たしていない。この鍵が正面から描かれたのはこれが初めてだが、よく見ると、このドアにはノブがない。作品世界のドアが全てそうなのかはわからないが、少なくともゴルディアン・ノット社製の鍵を開けるには、正しい鍵を差し込む以外になく、鍵無しでドアを開けるには、無理やりにこじ開けるなどするしかない。つまり、ゴルディアン・ノットの名は、その開け方まで含めての選択だったのだ。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />冷蔵庫から出された食品の山と、扉からはみ出たロールシャッハのコートに気づいたモーロックが、勘弁してくれと言わんばかりの表情を浮かべている。前回の訪問では冷蔵庫の異変に気づかなかったが、さすがに学習したのだろう(<span style="color:#99FFFF;">P60 PANEL5</span>参照)。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br />ロールシャッハの直筆。小文字と大文字が混じっている。<br />ちなみにロールシャッハの日誌は、原書では基本的に大文字で書かれているが、aとeとnとyだけが小文字になっており、彼の精神的な危うさを表現している。このメモでは、日誌では大文字のiも小文字になっているが、その理由は?<br /><br /><strong><P148><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">土曜から〜</span>:土曜日は19日。今日は21日なので、丸二日寝ていないことになる。<br /><br /><strong><P149><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />仏陀を中心とする東洋風のポスターが貼ってある。かなり年季の入った様子で、60年代末にアメリカで東洋思想が流行したことを考えると、この家の主人のおおよその年齢や主義主張が想像できる。<br /><br />飛び散った血が仏陀の右目にかかり、ピースマークの血痕を思わせる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">今日からお前の〜</span>:1960年代末に流行した格言。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />吹き出しでよく見えないが、奥のポスターには「NO NUKES(核兵器廃絶)」と書いてあると思しい。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />奥のポスターは、ロックバンド、グレイトフル・デッドの物。グレイトフル・デッドとは「感謝する死者」の意味。<br />グレイトフル・デッドと言えば、マスコットのテディベアが有名だが、前のコマで床に落ちているクマのぬいぐるみもその一つかもしれない。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SfnddOJb6gI/AAAAAAAAAEc/lJq6ELCrpA8/s1600-h/gbear.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 134px; height: 200px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SfnddOJb6gI/AAAAAAAAAEc/lJq6ELCrpA8/s200/gbear.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5330535128053312002" /></a>グレイトフル・デッドのダンシング・ベアぬいぐるみ。色・柄に多様なバリエーションがあり、コレクターも多い。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />被害者の少女の靴には、某有名犬のイラストが。<br />ちなみにあの犬の名前には「詮索好き」という意味がある。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br />ドアに飛び散った血しぶきのパターンは、ロールシャッハのコートのそれに酷似している(<span style="color:#99FFFF;">P200 PANEL4</span>参照)。<br /><br /><strong><P150><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />宅配社の運転手が充電を始めた。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">アメリカに渡って〜</span>:1933年、反ユダヤ主義を掲げるナチス政権の樹立を受け、ドイツ、オーストリアから約25万人のユダヤ人がアメリカへと移住した。北アメリカ大陸へのユダヤ人の大量移住は、17世紀半ば(スペイン、ポルトガルより)、19世紀半ば(ドイツより)、19世紀末(東欧より)に続いて第四次を数えたが、当時のアメリカが移民受け入れに制限を設けていたことから、その数はさほど多くなく、また、科学者など知識階級が多く含まれていたことが特徴とされる。<br /><br />新聞の見出しは「<span style="color:#FF1100;">アフガニスタンの戦闘拡大</span>」。<br /><br />背景の研究所の看板は「ASS DIES」と読める。あえて訳すと「バカが死ぬ」。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />もう充電が完了したらしい。<br /><br /><strong><P151><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />切り株の間に剣が落ちている。この剣で木を切り倒したのか。<br /><br /><strong><P152><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />ここで描かれたドライバーグとローリーは、店内の鏡に映った鏡像。このエピソードは、対称系というサブタイトルにこだわったのか、鏡像がしつこいほどに多用されている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />ガンガ・ダイナーの向かいにあるユートピア劇場では、1936年製作のSF映画の古典 『来るべき世界(原題THINGS TO COME)』 が上映されている。この作品は、第二次世界大戦の到来を予言したもので、人類は破滅の淵に立たされるものの、科学と英知が世界を救う結末になっていた。<br /><br />若干わかりにくいが、ドライバーグ以外は鏡に映った鏡像。無理やりな構図にも思えるが、逡巡するドライバーグの表情と去り行くローリーを同じコマに収めるには、こうするしかないのも確か。<br /><br /><center><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SfncjUVyaHI/AAAAAAAAAEM/MKX2H5ft1GQ/s1600-h/wmap.gif"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 320px; height: 266px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SfncjUVyaHI/AAAAAAAAAEM/MKX2H5ft1GQ/s320/wmap.gif" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5330534133283317874" /></a>ガンガ・ダイナー付近の地図</center><br /><br /><strong><P153><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />袖口のボタンが取れたままになっているのに注目。<br /><br />奥の皿の汚れがロールシャッハ模様になっているのに注目。好物(?)の豆の缶詰は、やはりハインツ製。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />割れた窓ガラスを入れ替える金もないのか、そもそも修理する気がないのか。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />ベッドの下に、コバックスの愛読紙<span style="color:#FF1100;">ニュー・フロンティアズマン</span>が積んであり、彼の正体を示唆している。<br /><br />枕の染みがリアル。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />コバックスを見た子供達が怯えている。ロールシャッハならばわからなくもないが、素顔のコバックスには過剰反応にも思える。子供なりの直感でコバックスの本性を見抜いているのか。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br /><span style="color:#99FFFF;">P152 PANEL7</span>を外から見た状態。左右の男女は<span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span>の男女と思しいが、歩いている方向が逆なので別人か。<br /><br /><strong><PNAEL8></strong><br />ロールシャッハが、ナプキンに描いたのは逆さまになったクエスチョンマーク。彼のモデルになったヒーロー、クエスチョンを意識してのことか。<br />日記ではこの行為に触れておらず、その後もこんな無意味な行動は見られない。どんな意味があるのだろうか?<br /><br /><strong><PAGE154><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">アフガニスタンの次はパキスタンか?</span>:現実では、ソ連はアメリカの支援を受けたアフガンゲリラの激しい抵抗に遭い、10年にわたって泥沼の戦いを続けることになる(後に彼らゲリラは反米に転じることになり、その中にはオサマ・ビンラディンもいた)。作品世界においては、アメリカの対応が間に合わなかったため、一気にパキスタンまで攻め込んだものと思われる。<br /><br /><span style="color:#99FFFF;">P153 PANEL9</span>を右側から見ている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />食事を終えたコバックスが店から出てきた。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br />コバックスがゴミ箱の中のメッセージを探している。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-47115059489729231902009-04-27T01:21:00.002+09:002009-05-01T02:14:11.883+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(13) CHAPTER 5※大変お待たせしました!続きを更新していきます。※<br /><br />「恐怖の対称形」というサブタイトルの通り、この5話では、全てのコマが(サブタイトルや章末の引用文など、毎話共通の意匠は別として)、折り返しとなるP156-157を中心に対称的に配置されている。<br />4話に続いて、ムーアが楽しんでいる様子が伺えるが、よく見ると、対応するそれぞれのページに登場するキャラクターまでもが対称的に配置されている。さらには、シーンの切り替わりにおいても、前のシーンの最後のコマと何かしら対称になるような仕掛けが施されているのだ。これだけの"縛り"を自らに課すムーアの苦行僧ぶりには思わず笑ってしまうが、新しい技法を試すのに夢中だったのだろう。<br /><br /><対称ページ一覧><br />P143〜148/170〜165:ロールシャッハ、モーロック<br />P149/164:ファイン、ボークイン<br />P150/163:バーナード、バーニィ、車の運転手<br />P151/162:漂流者<br />P152/161:ドライバーグ、ローリー<br />P153/160:コバックス(ロールシャッハ)<br />P154/159:バーナード、バーニィ<br />P155〜158:ヴェイト<br /><br /><対称シーン一覧><br />P148〜P149:水はねと血痕。<br />P149〜P150:三角形と飛沫。ご丁寧に構図まで対称になっている。<br />P150〜P151:こちらに見えているコミックのページは、P151そのもの。<br />P151〜P152:"鳥"を食べる漂流者とドライバーグ。<br />P152〜P153:食べ残しの跡。<br />P153〜P154:畳まれた紙片を開く手。<br />P154〜P155:Xの文字(新聞の見出し"NEXT"とカフスボタンの鏡像。ちょっと苦しい…)。<br />P158〜P159:Vの鏡像が作るXの文字と海賊旗の交差した骨。<br />P159〜P160:サメ(シャーク)のヒレとコバックス(ロールシャッハ)の手。<br />P160〜P161:並んだ男女。<br />P161〜P162:ドライバーグとサメに食われる死体のポーズ。<br />P162〜P163:漂流者とバーナードのポーズ。<br />P163〜P164:ジョーイとファインの手つき…というか、要素全て。<br />P164〜P165:ポスターのドクロとラムランナーのロゴマーク。<br />P170〜P142:構図とロールシャッハの帽子。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-43545480074302252942009-04-08T20:19:00.002+09:002009-04-08T20:21:40.975+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(12) CHAPTER 4 [P137〜P140]<strong><P137></strong><br />扉のDR.マンハッタンの画は、レオナルド・ダ・ヴィンチの覚書『プロポーションの法則』に収められた「<span style="color:#FF1100;">ウィトゥルウィウス的人間</span>」を模したもの。古代ローマの建築家ウィトルウィウスが著書『建築論』で説いた「人体は円と正方形に内接する」という理論を表現している。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SdyIognemBI/AAAAAAAAAEE/JwB5PIFtfFg/s1600-h/20090327-cannon.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 231px; height: 320px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SdyIognemBI/AAAAAAAAAEE/JwB5PIFtfFg/s320/20090327-cannon.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5322279089176746002" /></a><br /><center>ウィルトゥルウィウス的人間</center><br /><br /><strong><P139></strong><br /><span style="color:#FF1100;">最も大きな犠牲を〜</span>:英タイムズ社の統計によれば、第二次大戦における主要国の戦死者数は、アメリカ29万人、イギリス27万人、フランス21万人、イタリア28人、ポーランド85万人、中国132万人、日本230万人、ドイツ285万人に対し、ソビエトは1450万人と極端なまでに多い。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">侵攻に失敗〜</span>:1941年、独ソ不可侵条約を無視してソ連に侵攻したナチスドイツは、首都モスクワの目前にまで迫るが、冬の悪天候に阻まれいたずらに疲弊を重ねた。こうして東部と西部の二方面に戦力を割いたことが、ナチスドイツ敗北を早めたと言えるが、ソ連の戦時犠牲者は2千万人にのぼる結果となった。<br /><br /><strong><P140></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ロシア最高会議</span>:ソビエト連邦の最高国家権力機関。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-57745977412092240272009-04-04T17:58:00.003+09:002009-04-04T18:06:11.401+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(11) CHAPTER 4 [P122〜P136]<strong><P122><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br />このチャリティイベントは、インドの飢餓救済のために行われた物である。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL2</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ペンタゴン</span>:アメリカ国防総省の通称。建物が五角形(ペンタゴン)であることから。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ご存じでしょう</span>:この会話は、1963年12月に発売された『アクションコミックス』#309で、ケネディ大統領がスーパーマンと共演したことを指していると思われる。このエピソードでケネディは、クラーク・ケントに変装してスーパーマンの正体を守ってみせた。当時のケネディ人気の程がうかがえるが、皮肉にもこの号が発売されたのは、11月22日にケネディがダラスで暗殺された数週間後であり、DCは1964年1月発売の『スーパーマン』#168で予定されていたケネディの再登場を急遽キャンセルする事態となった。しかし、ジョンソン新大統領の要請により、同ストーリーは#170に掲載され、扉ページには亡きケネディ大統領に弔意を表すスーパーマンの姿が描かれた。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sdci74fW9MI/AAAAAAAAAD8/HMOFnRw8RbY/s1600-h/20090327-supermanke.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 238px; height: 320px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sdci74fW9MI/AAAAAAAAAD8/HMOFnRw8RbY/s320/20090327-supermanke.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5320759896933070018" /></a><center>「スーパーマン#170」口絵</center><br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">2年後</span>:この謁見から約2年後の1963年11月22日、ケネディ大統領は遊説先のテキサス州ダラスで暗殺されることになる。なお、赤いドレスの女性は、ケネディの妻のジャクリーン、二人の子供は長男のケネディ・ジュニアと長女のキャロラインである。ちなみにその右側には、DR.マンハッタンのかつての上司であるミルトン・グラスの姿も見える。<br /><br /><strong><P123><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ジェネラル・モーターズ</span>:アメリカ最大の自動車会社。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ポリアセチレン・バッテリー</span>:電気を通すプラスチック、ポリアセチレンを電極とするバッテリー。ポリアセチレンの発見者は、2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士である。1981年、その発見に着目した旭化成工業所属の吉野彰氏が、ポリアセチレンを負極、リチウムと酸化コバルトの化合物を正極とするリチウムイオン・バッテリーを発明。1990年代に実用化にこぎつけ、ノートパソコン、携帯機器など、広く使われるようになった。つまり、本作が発表された1986年時点では、まだ研究の途上にあったことになる。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">リチウム</span>:アルカリ金属の一つで、原子番号は3。電気自動車の心臓部であるリチウムイオン・バッテリーの電極として使用されるが、可採埋蔵量が1千万トン強と少ない点が問題視されている(鉄は1兆トン)。なお、リチウムはビッグバンによって合成され、以後、星内部の核反応や、より重い元素の破砕反応といった宇宙的スケールの諸現象によって生成されてきたが、それを簡単に合成できると言ってのけるDR.マンハッタンとは…。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL7</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ディーリー広場</span>:ダラスのダウンタウンにある広場。空港から演説会場までオープンカーでパレードを行っていたケネディ大統領は、この広場にさしかかったところで、2発の銃弾を受け即死した。<br /><br /><strong><P124><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br />壁にかけられた画は、スペイン出身の画家サルバトーレ・ダリ(1904〜1989)の代表作『<span style="color: rgb(255, 17, 0);">記憶の固執</span>』(1931年作)。柔らかい時計の別名で有名なこの画は、相対性理論を反映した歪んだ時空を通して、生と死を描いているとされるが、本作においては、DR.マンハッタンの奇妙な時間感覚を象徴しているようでもある。<br />なお、原子爆弾の登場にショックを受けたダリは、次の戦争で世界は消滅するとの考えから、原子核の崩壊という概念を反映させた『記憶の固執の崩壊』を1952年に発表している。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SdchmwWiw4I/AAAAAAAAADs/AM3Kv-O5Jx0/s1600-h/20090327-kioku.jpg"><img style="margin: 0px auto 10px; display: block; text-align: center; cursor: pointer; width: 400px; height: 284px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/SdchmwWiw4I/AAAAAAAAADs/AM3Kv-O5Jx0/s400/20090327-kioku.jpg" alt="" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5320758434459730818" border="0" /></a><center>「記憶の固執」</center><br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL7</span></strong><br />中央に金属球が浮いた、水素原子を模したイヤリングも、DR.マンハッタンの新技術の産物と思われる。後に、ローリーにも同じ物を贈っている(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P129 PANEL6</span>参照)。<br /><br /><strong><P125><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL2</span></strong><br />シルク・スペクターの本来のイヤリングは、彼女のイニシャルであるSを模った物。DR.マンハッタンから水素原子イヤリングを贈られてからは、そちらに付け替えている。<br /><br /><strong><P126><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span></strong><br />DR.マンハッタンから贈られたイヤリングを投げ捨てるスレーターの姿は、イヤリングを外して家を出たローリーに重なる(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P80</span>参照)。DR.マンハッタンにとっては、イヤリングを外すことが別離の合図なのか。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span></strong><br />卓上の時計は、おなじみの11時54分を指している。<br /><br /><strong><P127><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br />父親の病室の時計も、11時54分を指している。ベッドの周囲の様子から、苦しみぬいての最期だったことが伺える。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br />1971年当時のアメリカは、ベトナム解放軍への補給ルート、いわゆるホーチミンルートを分断するため、北ベトナムへの空爆を遂行したが、国際的な非難を浴びる結果となった。作品世界において、国力を圧迫していたベトナム戦争を早期終結させるため、ニクソン大統領がDR.マンハッタンの派遣を考えたことは当然の帰結と言えよう。現実においては、彼は翌72年にソビエト、中国への訪問を果たし、両国との緊張関係を緩和させると同時に北ベトナムの孤立化を図っているが、作品世界においては、DR.マンハッタンの存在を楯に、両国への態度を硬化させていったものと思われる。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">キューバを話題に〜</span>:1961年4月、ケネディはキューバのカストロ政権打倒のため、アイゼンハワー前政権から引き継いだキューバ侵攻作戦を実施した。計画は、国籍を隠した米空軍機が援護する中、亡命キューバ人部隊がキューバ中央のピッグス湾から上陸、カストロ政権の転覆を狙うというものだったが、2000人の亡命キューバ人部隊に対しキューバ軍は20万人の大部隊で応戦するなど、計画の甘さが次々と露呈した結果、計画は大失敗に終わり、アメリカは面目を失った。計画を強行したCIAへの不信感を強めたケネディは、CIA幹部を更迭し、組織の解体を宣言するも、実行に移す前に暗殺されてしまう(このCIAとの軋轢が暗殺の原因だとする説もある)。<br />劇中でケネディがDR.マンハッタンをキューバに派遣しなかったのは、共産圏への悪影響を憂慮してのことと思われるが、小国キューバ相手に彼を出すまでもないと相手を見くびっていた、あるいはDR.マンハッタンの力をまだ秘匿しておきたいとの考えがあったとも考えられる。<br />なお、DR.マンハッタンのモデルとなったキャプテン・アトムには、1960年の登場当初、時の大統領アイゼンハワーの命により共産主義者と戦っていた経緯がある。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sdch46iwcHI/AAAAAAAAAD0/pTwg-4sv_wI/s1600-h/20090327-atom.jpg"><img style="margin: 0px auto 10px; display: block; text-align: center; cursor: pointer; width: 218px; height: 320px;" src="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sdch46iwcHI/AAAAAAAAAD0/pTwg-4sv_wI/s320/20090327-atom.jpg" alt="" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5320758746432958578" border="0" /></a><center>キャプテン・アトム</center><br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span></strong><br />ブレイクによりそっている女性は、後に射殺された女性と同一人物。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span></strong><br />バッジに垂れた汗の雫がおなじみのパターンを描いている。<br /><br /><strong><P128><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ベトコン</span>:南ベトナム解放民族戦線、いわゆる北ベトナムの通称。越南共産(ベトナム・コンサン)の略。<br /><br /><strong><P129><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br />結局、ニクソン大統領が提出した憲法修正法案は可決され、彼は76年、80年、84年と、実に5期に渡って大統領の座に居座り続けることになる。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ブバスティス</span>:ブバスティスの名は、エジプト神話に登場する猫面の女神の名前から取られている。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span></strong><br />従来の飛行船は浮揚剤に水素ガスを使用していたため、発火・爆発の危険性がつきまとっていたが、DR.マンハッタンが何らかの解決策を見出したものと思われる。<br /><br /><strong><P130><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br />DR.マンハッタンとシルク・スペクターが警備しているのは、ホワイトハウス。同じ頃、コメディアンとナイトオウル、ロールシャッハはニューヨークの暴動鎮圧に当たっていた(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P56</span>参照)。<br /><br /><strong><P131><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL1</span></strong><br />このアナウンサーは、1960年にDR.マンハッタンの登場を伝えたアナウンサーと同一人物だと思われる。あれから17年が過ぎ、中年太りが目立つ。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL3</span></strong><br />イランのアメリカ大使館人質事件が起きたのは1979年のこと。当時のイランは新米王制の治世下にあったが、アメリカの支援による近代化の一方で、イスラム教は弾圧の対象となっていた(ソビエトの南に位置するというイランの地理的条件が、アメリカの思惑だった)。この状況に不満を抱いたホメイニ師らイスラム教指導者層は、1978年にイラン革命を決行。翌79年1月、時の国王パーレビがエジプトに国外逃亡し、イランはイスラム国家へと生まれ変わった。<br />後にアメリカがパーレビ元国王の亡命を受け入れたことから、反発したイスラム法学生らが11月4日にテヘランのアメリカ大使館を占拠し、大使館員とその家族約50名を人質に元国王の引渡しを要求した。この事態に当時のカーター米大統領は、80年4月、米四軍を総動員した人質救出作戦"イーグルクロー"を実施するが、砂嵐などの突発事故が重なり、作戦は無残な失敗に終った。武力による解放を断念したアメリカは交渉による解決を目指し、同年7月にパーレビ元国王が死去したこともあり、翌81年1月、人質は444日ぶりに解放される結果となった。<br />なお作品世界では、コメディアンの活躍により、イーグルクロー作戦は見事に成功した模様。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span></strong><br />死体はハーベイ・チャールズ・ファーニス(<span style="color: rgb(153, 255, 255);">P205</span>参照)。<br /><br /><strong><P132><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL4</span></strong><br />画面右の男性が被っているヘルメットはヴェイト社の製品。耳の部分の形状から、ラジオを内蔵しているものと思われる。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">グランド・セントラル駅</span>:マンハッタンのターミナル駅。天井の高い広々としたコンコースが特徴(ホームはすべて地下にある)。<br /><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">タイム</span>:実在の週刊誌。創刊は1923年で、世界初のニュース雑誌でもある。ちなみに、実際にタイムが1985年8月近辺で原爆関係の特集を組んだのは、7月29日発売号で、表紙はキノコ雲の写真だった。ちなみに、タイム社は1989年にDCコミックスの親会社のワーナー・コミュニケーションズと合併し、タイム・ワーナーとなり、DCコミックスを配下に収めた。<br /><br />前のコマと相似した構図に注目。母と息子(スレーターとオスターマン)、父と娘(DR.マンハッタンとローリー)という両者の関係の暗示か。<br /><br /><strong><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL7</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">懐中時計</span>:この懐中時計は実在するもので、原爆投下の午前8時15分に止まったまま広島の平和記念資料館に展示されている。なお、DR.マンハッタン誕生のきっかけとなったスレーターの時計も同じ時刻で止まっているが(P114PANEL9参照)、朝の8時に遊園地に行くとは考え難い。象徴的な時刻と考えるべきだろう(ちなみに前のコマの駅の時計も同じ時刻を指している模様)。<br />ところで、キャプションには懐中時計(pocket watch)と書かれているが、画はどう見ても腕時計である。原爆資料館には、懐中時計も腕時計も展示されているため、アーティストのギボンズが混同したのだろうか。<br /><br /><strong><P136><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL5</span></strong><br /><span style="color: rgb(255, 17, 0);">ノーダス・ゴルディ山</span>:火星北西部に位置するシールド火山。<br /><br /><span style="color: rgb(153, 255, 255);">PANEL6</span><br />広島、長崎への原爆投下を知ったアインシュタインの言葉(1945年)。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-57113890506771940682009-04-02T10:53:00.002+09:002009-04-02T10:56:37.272+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(10) CHAPTER 4 [P109〜P121]過去、現在、未来を全て同時に体感しているという、DR.マンハッタンの想像を絶する時間感覚に焦点を当てたエピソード。コマ毎にバラバラの時代を当てはめ、それらを一枚のページの上で同時に俯瞰できるコミックスだからこそ可能になった描写であり、<span style="color:#99FFFF;">P421</span>のムーアの独白にもあるように、本人も相当に力を入れて臨んだエピソードだと言えよう。<br />ちなみにこのエピソードは、ストーリー的には全く進展しておらず、ひたすらDR.マンハッタンのオリジン(誕生秘話)に焦点を当てた内容となっているが、これは『ウォッチメン』が本来、6話構成のミニシリーズとして考えられていたためであり、12話構成となった時点で、各キャラクターのオリジンを挟み込むことにしたのだという。<br />そういった観点で全体を見直してみると、2話がコメディアン、4話がDR.マンハッタン、6話がロールシャッハ、7話がナイトオウル、9話がシルク・スペクター、11話がオジマンディアスのオリジンと捉えることができる。ナイトオウルのオリジンだけが具体的描写に欠けているが、スーパーヒーローの典型的なオリジンになりそうなので、敢えて省いたのだろうか。<br /><br /><strong><P109><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">パリセーズ遊園地</span>:マンハッタンからジョージ・ワシントン・ブリッジを渡ったニュージャージー州バーゲン郡フォートリーの街に、かつて実在した遊園地。1895年の開園以来、ニューヨーク近郊の遊園地として人気を誇ったが、交通渋滞などに悩む近隣住民の反対により、1971年に閉鎖され、跡地は高層マンション群に生まれ変わった。<br /><br /><strong><P110><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">2億2700万㎞</span>:太陽系の惑星は楕円軌道を描いているため、太陽からの位置はその時々で変化する。火星の場合、最短で20660万km、最長で24920万km、平均で22790万kmとなっているので、DR.マンハッタンが降り立った時点では、ほぼ中間の位置にあったことになる。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">10分</span></span>:光速を毎秒30万㎞とすると、2億2700万㎞を移動するには12分36秒程かかることになる。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">冥王星</span>:冥王星から太陽までの距離は、最短で44億4220万km、最長で73億8810万km、平均で59億1520万kmとなっている。冥王星に太陽の光が届くには、最短でも4時間6分43秒程かかることになるが…。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ハレー彗星</span>:約76年周期で地球に接近する短周期彗星。1985年近辺では、1986年2月9日に地球に最接近している。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ブルックリン</span>:マンハッタンからイースト川を挟んで南対岸に位置する、ニューヨーク市の5つの行政区の一つ。移民の多い独自の文化、風土を持った街として知られる。<br /><br /><strong><P111><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">アインシュタイン</span>:アルバート・アインシュタイン(1879〜1955)。ドイツ出身の理論物理学者。相対性理論の提唱者で、物体の移動速度により、その個有の時間が変化すると説いた。ユダヤ系ドイツ人である彼は、1933年、ヒトラーが政権を取ると同時に渡米を決意。プリンストン高等学術研究所の教授に就任した。<br />1939年、ナチスドイツの核保有を懸念した亡命ユダヤ人物理学者らは、核の兵器利用を示唆した書簡を時の大統領ルーズベルトに提出。この書簡を機に、原子爆弾開発計画「マンハッタン計画」が始動する。アインシュタインは書簡に署名しただけであり、マンハッタン計画とは無縁だったが、戦後は核兵器廃絶と戦争廃止を訴え続けた。<br />1955年に死去したが、作品世界では、少なくとも1959年までは存命だった模様である。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">時間の相対性</span>:アインシュタインが1905年に唱えた特殊相対性理論、並びに1915年に唱えた一般相対性理論を指すものと思われる。アインシュタインが唱えた時間の相対性とは、光速や非常に強い重力下など、我々の日常で実感できるものではないが、時間は全宇宙において不変であるという従来のニュートン力学が覆された事実は、時計職人であるオスターマンの父にとって納得しがたい出来事だったのだろう。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">プリンストン大学</span>:1746年に、ニュージャージー州プリンストンに創設された名門私立大学。物理・数学の分野で特に目覚しい実績を上げている。ちなみに『X-メン』などで人気のコミックアーティスト、ジム・リーの母校でもある(心理学専攻)。<br /><br /><strong><P112><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">グラス博士</span>:フルネームはミルトン・グラス。ポケットに入っているのは、電卓のない時代に活躍した計算用具である計算尺。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">プリンストンに〜</span>:アインシュタインは1955年に没するまでプリンストンで過ごしたが、劇中では59年の今も健在で、別の場所に移っているらしい。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">奥さんと折り合いが〜</span>:アインシュタインは1903年に1度目の結婚をしたが、やがて従妹と不倫関係に陥り、19年に離婚してすぐに彼女と再婚している。しかし、彼女は渡米後の36年に癌で死去し、以後、アインシュタインは独身を通している。<br />劇中では、いずれかの時点で再婚した模様だが、あまりうまく行っていないらしい。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">イントリンジック・フィールド</span>:直訳すると"物質固有の場"。造語と思われる。<br /><br /><strong><P114><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">太った男</span>:すなわち"ファットマン"は、長崎に投下された原爆の愛称である。また、直前のコマの泣いている少年、すなわち"リトルボーイ"は、広島に投下された原爆の愛称であり、原爆の開発・投下が、DR.マンハッタン誕生のきっかけとなったことを暗示している。<br /><br /><strong><P115><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />スレーターが穿いているのは、シームのある古いタイプのストッキング。シームレスタイプは、1959年時点で既に発売されていた。<br /><br /><strong><P117><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />DR.マンハッタンのあまりに異様な姿に、兵士が這いつくばって嘔吐している。<br /><br /><strong><P119><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">アンドロメダ</span>:地球から約230万光年の距離に位置する渦巻銀河。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">エルンスト・ハルトヴィッヒ</span>:(1851〜1923) ドイツの天文学者で、1885年にアンドロメダ銀河内の超新星を発見した。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">超新星</span>:重い恒星がその一生の最期に起こす大爆発のことで、従来知られていた新星よりも明るい"超"新星としてこの名が付けられたが、実際には星の最期の姿である。一つの銀河内で数十年に一度、発生する現象とされているが、実際の観測例は極めて少なく、『ウォッチメン』刊行時点では、1885年のハルトヴィッヒの観測例だけだった。しかし奇遇なことに、シリーズ刊行中の1987年2月、大マゼラン雲で新たな超新星が発見され、現代の天文学を大きく飛躍させた。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />三葉虫が生息していたのは、古生代のカンブリア紀から二畳期。約5億4500万年前から2億5000万年前の時期である。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">金</span>:初期の宇宙に存在した元素はほとんどが水素とヘリウムで、それらより重い炭素、窒素、酸素、鉄などは、恒星内の核融合反応によって生成され、超新星爆発によって宇宙に拡がった。金など、鉄よりも重い元素は、超新星爆発の際に生成されたと考えられている。<br /><br /><strong><P120><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />DR.マンハッタンがシンボルに選んだのは水素原子。最も簡素な原子で、一つの陽子と一つの電子から成る。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />政府が用意したヘルメットに描かれた<span style="color:#FF1100;">アトミック・シンボル</span>は、原子力をパワーソースとするスーパーヒーローが必ずと言ってよいほど、身に付けていたものである。<br /><br />DR.マンハッタンの名前は、第二次大戦中に、極秘裏に原爆を開発した「<span style="color:#FF1100;">マンハッタン計画</span>」にちなんだ物である。<br /><br /><strong><P121><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />ニュースを読み上げるアナウンサーは、スーパーマンの正体であるクラーク・ケントを思わせる。ちなみにクラーク・ケントは、70年代のコミックスで実際にアナウンサーを務めていた。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">パットン戦車</span>:制式番号はM-48。1959年当時のアメリカ陸軍の主力戦車で、第2次世界大戦の名将ジョージ・S・パットン将軍の名を冠している。ちなみに前面装甲は120mm。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">クレムリン</span>:クレムリン宮殿に居を構えるソ連政府を指す。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />当時、アメリカとソ連は国家の威信を賭け、総力を挙げて軍事、宇宙開発競争に取り込んでいた。ちなみにソ連が人類初の人工衛星スプートニクを打ち上げ、大陸間弾道弾を完成させたのが1957年。翌1958年にはアメリカも続いている。<br /><br /><div style="text-align: right">TEXT BY 石川裕人</div>PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-32239206496114598762009-03-31T02:06:00.009+09:002009-03-31T16:35:32.742+09:00映画「ウォッチメン」予告編で使用された音楽 「ウォッチメン」予告編(英語版)のバックで流されていた曲をご紹介します。<br /><br />予告編第一弾の楽曲<br /><object width="480" height="295"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/m16nZq4Pr8c&hl=ja&fs=1"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><param name="allowscriptaccess" value="always"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/m16nZq4Pr8c&hl=ja&fs=1" type="application/x-shockwave-flash" allowscriptaccess="always" allowfullscreen="true" width="480" height="295"></embed></object><br /><br /><span style="font-weight:bold;">・The Smashing Pumpkins「The Beginning Is the End Is the Beginning」</span><br /> オリジナルは「バットマン&ロビン」の挿入歌「End Is the Beginning Is the End」です。この曲はそのリミックス版で、「バットマン&ロビン」サントラCDに収録されています。<br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002NFZ/planetcomicsj-22/ref=nosim" target="_blank" class="ausgangsoft"><img src="http://rcm-images.amazon.com/images/P/B000002NFZ.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="Batman & Robin" border="0" width="159" height="160"></a><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002NFZ/planetcomicsj-22/ref=nosim" target="_blank" class="ausgangsoft"></a><br /><br /><br />予告編第2弾の楽曲<br /><object width="480" height="295"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/pB3AxenYAyU&hl=ja&fs=1"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><param name="allowscriptaccess" value="always"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/pB3AxenYAyU&hl=ja&fs=1" type="application/x-shockwave-flash" allowscriptaccess="always" allowfullscreen="true" width="480" height="295"></embed></object><br /><br />切り替わっていく曲を順番に書くと;<br /><span style="font-weight:bold;">(1)Philip Glass 「Prophecies」<br />(2)Philip Glass 「Pruit Igoe」</span><br /> この2曲は「ウォッチメン」サントラCDに収録されています。オリジナルは映画「Koyaanisqatsi」サントラより。<br /> このほか、「ウォッチメン」の予告編やCMでは、全体的にフィリップ・グラスの曲が使用されているようです。<a href="http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/SR/PhilipGlass/">→フィリップ・グラスについて(ソニーミュージックジャパン)</a><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000AEDU/planetcomicsj-22/ref=nosim" target="_blank" class="ausgangsoft"><img src="http://rcm-images.amazon.com/images/P/B00000AEDU.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="Koyaanisqatsi (1998 Re-recording)" border="0" width="160" height="160"></a><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000AEDU/planetcomicsj-22/ref=nosim" target="_blank" class="ausgangsoft"></a><br /><br />(3)Muse「Take A Bow」</span><br /> 人気バンドのヒット・アルバム「Black Holes and Revelations」より。<br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000LZ53N8/planetcomicsj-22/ref=nosim" target="_blank" class="ausgangsoft"><img src="http://rcm-images.amazon.com/images/P/B000LZ53N8.09.MZZZZZZZ.jpg" alt="ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ[最強盤](DVD付)" border="0" width="160" height="160"></a>PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-90010439122244848462009-03-31T01:28:00.009+09:002009-03-31T03:56:55.649+09:00「ウォッチメン」 サウンドトラック<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B001QTMSYU?ie=UTF8&tag=planetcomicsj-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B001QTMSYU"><a href="http://www.amazon.co.jp/dp/B001QTMSYU/" title="ウォッチメン [Soundtrack]"><img src="http://ec2.images-amazon.com/images/I/6137M3QURvL._SX160_.jpg" alt="ウォッチメン [Soundtrack]" width="200" />
<br />「ウォッチメン」サウンドトラック 国内盤</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=planetcomicsj-22&l=as2&o=9&a=B001QTMSYU" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
<br />
<br />○「ウォッチメン」実写版映画のサウンドトラック
<br />○マイ・ケミカル・ロマンスによるボブ・ディランの「廃墟の街」カヴァーを収録!
<br />
<br />1. 廃墟の街/マイ・ケミカル・ロマンス
<br />2. アンフォゲッタブル/ナット・キング・コール
<br />3. 時代は変わる/ボブ・ディラン
<br />4. サウンド・オブ・サイレンス/サイモン&ガーファンクル
<br />5. ミー・アンド・ボビー・マギー/ジャニス・ジョプリン
<br />6. ブギー・マン/KC&ザ・サンシャイン・バンド
<br />7. ユアー・マイ・スリル/ビリー・ホリデイ
<br />8. プルート・イゴエ&プロフェシーズ/フィリップ・グラス
<br />9. ハレルヤ/レナード・コーエン
<br />10. 見張り塔からずっと/ジミ・ヘンドリックス
<br />11. ライド・オブ・バルキューレズ/ブダペスト・シンフォニー・オーケストラ
<br />12. パイレート・ジェニー/ニーナ・シモン
<br />
<br />○試聴できるサイトは<a href="http://www.wmg.jp/artist/watchmen/WPCR000013349.html">こちら</a>(ワーナーミュージック)。
<br />
<br /><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/615LQ4lYaZL?ie=UTF8&tag=planetcomicsj-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=615LQ4lYaZL"><a href="http://www.amazon.co.jp/dp/B001N3OCV6/" title="Watchmen [Soundtrack] [Import] [from US]"><img src="http://ec2.images-amazon.com/images/I/615LQ4lYaZL._SX160_.jpg" alt="Watchmen [Soundtrack] [Import] [from US]" width="100" />Watchmen [Soundtrack] US盤</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=planetcomicsj-22&l=as2&o=9&a=B001QTMSYU" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
<br />上記と同内容。輸入版なので安価です
<br />
<br /><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B001PK47CG?ie=UTF8&tag=planetcomicsj-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B001PK47CG"><a href="http://www.amazon.co.jp/dp/B001PK47CG/" title="Watchmen [Original Motion Picture Score] [Soundtrack] [Import] [from US]"><img src="http://ec2.images-amazon.com/images/I/51T-8xTGGeL._SX160_.jpg" alt="Watchmen [Original Motion Picture Score] [Soundtrack] US盤" width="100" />Watchmen [Original Motion Picture Score] [Soundtrack] US盤</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=planetcomicsj-22&l=as2&o=9&a=B001PK47CG" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
<br />こちらはタイラー・ベイツによるオリジナル・スコアを収録したサウンドトラック。挿入歌は入っていません。
<br />
<br />My Chemical Romance 「Desolation Row」
<br />映画「ウォッチメン」の挿入歌、マイ・ケミカル・ロマンスによるボブ・ディランのカバー「廃墟の街」ビデオ。ビデオ監督はザック・スナイダー。
<br /><object width="425" height="344"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/Hxq-rTGxpyQ&hl=ja&fs=1"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><param name="allowscriptaccess" value="always"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/Hxq-rTGxpyQ&hl=ja&fs=1" type="application/x-shockwave-flash" allowscriptaccess="always" allowfullscreen="true" width="425" height="344"></embed></object>
<br />
<br />主題歌を歌っているマイ・ケミカル・ロマンスのインタビュー記事は<a href="http://www.barks.jp/news/?id=1000046679">こちら</a>(Barks.jp)。ティーンの頃からウォッチメンのファンだったそうです。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-23054179825859518802009-03-29T16:58:00.004+09:002009-03-30T02:35:25.829+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(9) CHAPTER 3 [P103〜P105]<strong><P103></strong><br /><span style="color:#FF1100;">フラフープ</span>:腰で回して遊ぶ輪状の遊具。1958年にアメリカで大流行した。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ジルバ</span>:スイングダンスの一種。1930年代後半にアメリカで流行し、第二次大戦を通して世界に広まった。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">マッカーシー</span>:ジョセフ・マッカーシー上院議員(1908〜1957)。共和党所属。狂信的なまでの反共主義者で、1950年代前半のアメリカに、集団ヒステリーともいうべき反共主義"マッカーシズム"を引き起こした。1950年、国務省内に205人もの共産主義者がいると告発。戦後間もなくから高まっていた反共感情に火をつけ、一躍、時代の寵児となった。"赤狩り"と呼ばれた告発の矛先は、ついには所属する共和党政権、合衆国陸軍にまで及んだが、偽証、密告など手段を問わない強引な姿勢に批判が高まり、54年、上院に不名誉をもたらしたとして事実上の不信任決議を受ける結果となった。<br />こうして急速に影響力を失った彼は、57年に急性肝炎で死去したが、一般にまで広がった反共感情は、その後も長くアメリカを支配することになる。ちなみに、赤狩りはハリウッド映画のような娯楽分野にも及んでおり、先に述べたコミックス・コードの制定もその影響下にあったと言えよう。(※<a href="http://planetcomicsjp-watch-the-watchmen.blogspot.com/2009/03/p6-19868712-111-tvdc12-watchmen-1.html">解説記事(1)</a>を参照)<br /><br /><span style="color:#FF1100;">HUAC/下院非米活動委員会</span>:1938年に外国のスパイ活動を監視する意味で設立された委員会で、戦後は共産主義者の告発に力を注いだ。赤狩りの総本山であり、1947年、ハリウッドの映画人10人を、自分は共産主義者ではないとの証言を拒んだとして、議会侮辱罪で投獄した一件は、特に社会の注目を集めた。なかば中世の魔女裁判のごとく一方的に容疑者を吊るし上げ、社会的に抹殺するそのやり方には批判も多かったが、委員会が廃止されたのは1975年のことだった。<br />ちなみに、HUACの横暴はDCコミックスの歴史にも組み込まれている。1940年に誕生した世界初のスーパーヒーローチ−ム、ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカは、人気の低下から1951年に誌上から姿を消したが、1962年に復活した際、彼らの10年に及ぶ不在は、単なる引退としか説明されなかった。しかし、1979年に発表されたあるストーリーで、彼らは1951年にHUACに正体を明かすように強制されたため、やむなく引退の道を選んだのだと説明が加えられたのである。ミニッツメンとHUACの一件が、このエピソードを基にしていることは言うまでもない。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://2.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sc8qj2XhGnI/AAAAAAAAADc/bNxMy35-wAE/s1600-h/20090315-allstar3.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 200px; height: 284px;" src="http://2.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sc8qj2XhGnI/AAAAAAAAADc/bNxMy35-wAE/s400/20090315-allstar3.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5318516480325786226" /></a><center>世界最古のヒーローチーム、ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ </center><br /><br /><span style="color:#FF1100;">左翼の学生と〜</span>:世界的な経済恐慌にあった1930年代、共産主義は理想主義の学生の間で人気があった。<br /><br /><strong><P104></strong><br /><span style="color:#FF1100;">東ドイツ</span>:正式名称は「ドイツ民主共和国」。1949年、敗戦国ドイツのソビエト占領地域に建国された社会主義国家。アメリカ、イギリス、フランス占領区域に建国されたドイツ連邦共和国(西ドイツ)と長く対立関係にあったが、1990年に西ドイツに吸収され消滅した。<br /><br /><strong><P105></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ビート族</span>:1950年代に登場した、因習的な行動や服装を否定する若者たちの総称。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">エルヴィス・プレスリー</span>:(1935〜1977) ロックンロールの帝王。ビートルズなど、あらゆるアーティストに大きな影響を与え、その名は今なお輝いているが、デビュー当時は、そのセクシーな仕種が卑猥だとして非難を受けることも少なくなかった。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ミニスカート</span>:1960年代初頭、イギリスから発生したファッション。足を剥き出しにしたそのスタイルは、古い世代の顔をしかめさせた。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ビートルズ</span>:(活動期間1962〜1970) イギリスが生んだ今世紀最高のスーパーグループ。とはいえ、デビュー当時は、その奇抜なファッションを揶揄されることも多かった。<br /><br /><div style="text-align: right">TEXT BY 石川裕人</div>PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-68191722457871525072009-03-28T20:14:00.003+09:002009-03-29T01:39:01.917+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(8) CHAPTER 3 [P90〜P100]<strong><P90><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">アドレナリン</span>:興奮、怒り、恐怖などを感じた時に分泌される副腎皮質刺激ホルモン。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />画面奥の時計が7時40分あたりを指している。ようやく時計が時計としての役割を果たし始めたようだ。<br /><br /><strong><P91><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />ニュー・フロンティアズマンの広告の"正しい(RIGHT)"に、翼を意味する"WING"が落書きされ、"RIGHT WING"に(右翼、RIGHTには右の意味もある)なってしまっている。街に落書きをするような若者が同紙をどう思っているか、また、同紙がどのような政治傾向を持っているかが伺える。<br />なお広告の文句は、1964年の大統領選挙に出馬した共和党候補バリー・ゴールドウォーターのスローガン"IN YOUR HEART, YOU KNOW HE MIGHT(あなたの心に彼は正しい)"をもじったもの。厳しい予備選を勝ち抜いたゴールドウォーターだったが、民主党のジョンソン陣営によって、右翼、人種差別主義者とのレッテルを貼られた末、歴史的大敗を喫した。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />初代ナイト・オウルの立像の足元に布が見える。ドライバーグを待ちながら、一人寂しく磨いていたのか。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">カメラごと〜</span>:該当するコマでは(<span style="color:#99FFFF;">P90 PANEL3</span>)、カメラはまだスタジオにあるように見えるが、テレポート前のコマ(<span style="color:#99FFFF;">P86 PANEL3</span>)と見比べると、ステージ正面のカメラらしき機械が消えている。ただし、これらのカメラは有線式であるため、スタジオから離れて使えるとは考え難い。<span style="color:#99FFFF;">P89 PANEL3</span>のハンディカメラが、カメラマンごと飛ばされたのか。<br /><br /><strong><P92><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />ノヴァ・エクスプレスの遅配は予定の行動であるが、スレーターのインタビューが取れたのは発行日当日だった。彼女なりのためらいがあったのかもしれない。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />ノヴァ・エクスプレスの配達員がトラックに充電している。次のコマではもうソケットを外しているので、驚くほど短時間で充電できるものと思われる。<br /><br />画面奥にドライバーグとローリーの姿が見える(<span style="color:#99FFFF;">P85 PANEL2</span>参照。そちらのコマの画面奥にも注意)。このコマで一旦、時間軸が戻っていることになる。まったく油断も隙もならない。<br /><br /><strong><P93><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />兵士が口ずさんでいるのは、ポリスのアルバム『白いレガッタ』(1979)収録の「ウォーキング・オン・ザ・ムーン」。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />本来の扉の色は黄色だが、DR.マンハッタンが発する蒼い光に照らされて薄緑に見える。テレポートの瞬間とその後の色の変化にも注意(<span style="color:#99FFFF;">PANEL6,7</span>)。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />全てが青に染まる中、筆のペンキだけが真っ赤に塗られている。赤=赤い星=火星と、DR.マンハッタンのその後の行動の暗示か。<br /><br /><strong><P94><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ジーラ・フラット</span>:アリゾナ州中央部の平原。ちなみにアリゾナ州は、原爆開発計画"マンハッタン計画"の中心地となったニューメキシコ州の西隣に位置する。<br /><br />実験場の標語「<span style="color:#FF1100;">苦難を乗り越え、星の彼方へ</span>」は、ラテン語で書かれている。<br /><br />夜空に赤い星が見える。火星か。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />これまでは絶妙に隠してきたが、ついにDR.マンハッタンの性器が描写された。DR.マンハッタンのコスチュームの面積は、彼の人間性の多少を象徴しており、その意味でも全裸の描写は避けて通ることはできなかったが、前例のないことでもあり、いつ、どこで見せるかにはかなり気を使ったという。また描写の仕方も懸案だったらしく、古代彫刻のような簡略化した描き方をすることで、余計な過剰反応を避けたという(これは私見になるが、DR.マンハッタンの肌が"ブルー"という非人間的な色だったこともプラスに働いたと思われる)。<br />なおムーアは、ウォッチメンと同時期にエクリプスコミックスで連載していた『ミラクルマン』#9(7/86)において、コミックス史上初となる本格的な出産シーンを描いている(ちなみに産まれたのはミラクルマンの娘)。まるで記録フィルムを見せられているようなリアルな出産描写は、DR.マンハッタンの全裸よりもはるかにショッキングなシーンであったため、同号の表紙には「おうちの方へ このエピソードには写実的な出産シーンが含まれています」との一文が加えられた(そもそも『ミラクルマン』自体、親が子供に買い与えるようなコミックスではないのだが…)。いずれにせよムーアは、性器に関するアメリカンコミックスのタブーをほぼ同時期に破ってみせたことになる。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sc4HrfNl1xI/AAAAAAAAADU/BH2jGVeHA5Q/s1600-h/20090319-miracleman9.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 200px; height: 303px;" src="http://3.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sc4HrfNl1xI/AAAAAAAAADU/BH2jGVeHA5Q/s400/20090319-miracleman9.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5318196653665408786" /></a><center>出産シーンが描かれた「ミラクルマン#9」表紙</center><br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">奇抜と魅惑</span>:この標語は、クォークの一種であるストレンジ(奇抜)とチャーム(魅惑)と一致するが、標語は1959年の時点で既にボードに書かれており(<span style="color:#99FFFF;">P113 PANEL4</span>)、クォークの存在が提唱されたのが1964年であることから、偶然の一致と見るべきだろう。<br /><br /><strong><P96><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">はずれですな</span>:DR.マンハッタンの失踪が第三次世界大戦を招きかけたという意味では、はずれどころか大当たりである。<br />ところで、世界終末の前兆といった超自然的な物言いは、無神論者のロールシャッハにはそぐわないし、<span style="color:#99FFFF;">P437</span>のロールシャッハに関するムーアの説明でも、彼は狂信家を装っているとされているが、予言が的中している以上、ただの戯言とも思えない。そこまで徹底して、狂信家のコバックスになりきっているということか。あるいは、それが彼の本質なのか。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />話しかけても返事をしない少年とスタンドの店主の関係は、構図的にも物言わぬ死体と漂流者の関係に重なる。<br /><br /><strong><P98><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />時計は7時25分あたりを指している。ロールシャッハは、こんな朝からあの格好で街をうろついているのだろうか。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />ロールシャッハが手にしているのは、ヴェイト社の香水ノスタルジアの瓶。丸い女性用とは形が違う( <span style="color:#99FFFF;">P43 PANEL2</span>参照)。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ひと捻りで壊れた</span>:あれだけ言われても、隠し通路を使うつもりはないらしい。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br />断りもせずに香水を胸ポケットにしまうロールシャッハ。さしもの彼も自分の臭いが気になるのか。<br /><br /><strong><P99><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />ピラミッド宅配社のトラックが充電中。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">フラッシュマン</span>:1940年に登場したDCコミックスのヒーロー、初代フラッシュのことか。名前を間違っているが、もう昔のことなのでうろ覚えなのだろう。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sc4HdiCNFTI/AAAAAAAAADM/c5F02D9YaQg/s1600-h/20090315-flash.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 200px; height: 283px;" src="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/Sc4HdiCNFTI/AAAAAAAAADM/c5F02D9YaQg/s400/20090315-flash.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5318196413904786738" /></a><center>初代フラッシュ</center><br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL7</span></strong><br />バーニィ少年のパーカーもヴェイト社の製品。<br /><br /><strong><P100><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">赤い星</span>:DR.マンハッタンが消えた途端、俄然、張り切り始めたソビエトを揶揄した表現。赤は共産主義を象徴する色である。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />ニクソン大統領の椅子の背中に貼られているのは、合衆国大統領の紋章。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />状況がわかりにくいが、DR.マンハッタンは岩にこしかけて、膝に両手を置いている。このコマだけ、時間軸が少し進んでいる(P102 <span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span>参照)。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />大統領の右隣で大騒ぎしているのは、キッシンジャー国務長官。<br /><span style="color:#FF1100;">ヘンリー・キッシンジャー(1923〜)</span>:高名な国際政治学者で、安全保障問題への提言を見込まれ、1968年に国家安全保障問題担当大統領補佐官としてニクソン政権に入閣、73年からは国務長官も兼任した。高い外交手腕で知られ、当時、ソビエトと対立していた中国と和解し、米ソの冷戦構造を米中ソの三極構造に組み替えることでデタントを推し進めると同時に、中ソの支援を受けていた北ベトナムを孤立させ、ベトナム戦争を和平に持ち込むなど、国益を第一に考える現実主義的な外交政策を展開した(一方で理想主義者たちは、中ソと手を結ぶニクソンとキッシンジャーの政策に不満を持っており、79年のソビエトのアフガニスタン侵攻をきっかけに新たな冷戦構造を推し進め、レーガン政権下で新保守主義が台頭することになる)。ニクソン辞任後はフォード政権でも国務長官を務めたが、フォード政権の終焉とともに退任。以後、国際政治の専門家として内外に大きな影響力を発揮し続けている。<br /><br /><div style="text-align: right">TEXT BY 石川裕人</div>PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-25013211291665105302009-03-26T13:30:00.001+09:002009-03-26T14:32:10.854+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(7) CHAPTER 3 [P75〜P89]<strong><P75><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />直前のコマのセリフをそのまま続けて次のコマの内容を補完するという手法は、1話の冒頭から使われていたが、この3話からは、バーニィ少年が読んでいるコミック『黒の船』の内容が、一冊のコミックとして成立していながら、同時にメインのストーリーにも絡むという、より複雑な手法が試みられている(ただしその結果、バーニィは一冊のコミックをいったい何時間かけて読んでいるんだ、という突っ込みもできてはしまうのだが)。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/ScpC-ilFC5I/AAAAAAAAAC0/82MCn2ct3-c/s1600-h/stand.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 320px; height: 183px;" src="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/ScpC-ilFC5I/AAAAAAAAAC0/82MCn2ct3-c/s320/stand.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5317135952265939858" /></a><center>マガジンスタンド(映画版より)</center><br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">カストロ</span>:フィデル・カストロ(1926〜)。キューバ国家評議界議長・首相(2008年に退任)。1959年、民族民主革命を標榜し、当時のバティスタ独裁政権を打倒して革命政府の首相となった。アメリカからわずか150キロの島国に社会主義国家が建設されたことに対する米政府の危機感は大きく、60年代には、幾度となくカストロ政権転覆が試みられたが、いずれも失敗に終っている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">3度の心臓手術後〜</span>:1913年生まれのニクソンは、1985年の時点で72歳。彼が3回もの心臓手術に耐えられたのは、DR.マンハッタンの開発した新たな医療技術のおかげであろう。なお、ニクソンが心臓病を患っていたという事実はなく、死因も脳卒中が原因だった。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">プロメシアン・タクシー</span>:プロメシアンの名は、ギリシャ神話の神で先見の明を持つ者プロメテウスに由来する。<br /><br />背景の市公用車のボディに描かれたリンゴは、実際のニューヨーク市の愛称ビッグ・アップルに因む。荷台には核シェルターの看板が山と積まれており、緊迫した社会状況が伺える。<br /><br />バーニィのパンツの左ヒザには継ぎが当ててある。家庭の経済状況が察せられる。彼が履いているスニーカーにはヴェイト社のロゴが入っている。<br /><br /><strong><P76><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />バーニィの吸っている煙草も手巻きである。読むのに何時間もかかるコミック同様、煙草も何時間経ってもなくならない(足元に吸殻が落ちていない)。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">アトラス</span>:ギリシャ神話に登場する巨人。神々に反抗した罪として、生涯、天空を支えることを命じられた。<br /><br />『黒の船』のページは、1960年代に作られたコミックの雰囲気を出すために、わざとドットの荒い着色が成されている(1986年発売のオリジナル版では、色の使い方を変えることで、制作年代の違いを表現していた)。デジタル彩色ならではの効果と言えよう。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br />コバックスの背後に見えるユートピア劇場の看板は、古典SF映画『宇宙水爆戦』のもの。『宇宙水爆戦(原題</span>:この島たる地球)』は1955年製作のSF映画で、メタルーナとザーゴンの宇宙戦争に巻き込まれた地球人科学者の活躍を描く。<br /><br /><strong><P77><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ナショナル・エグザミナー</span>:架空の新聞。ヨタ話ばかり集めたタブロイド新聞と思われる。モデルは、実在のゴシップ紙『ナショナル・エンクワイラー』か。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">クイーンズ</span>:ニューヨーク市の五つある行政区の一つで、マンハッタンからイースト川を挟んで対岸に位置する。<br /><br />背後の研究所の表示がフキダシなどで隠れた結果、"DIE(死ぬ)"という部分だけが目につく。実際、このコマに描かれた3人は、生きて結末を迎えることはない。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ネメシス</span>:ギリシャ神話に登場する、天罰と復讐の女神。目を布で覆い、完璧なまでに公平な裁きを下す。<br /><br /><strong><P79><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />二人のDR.マンハッタンを象徴するかのように、机の上に二組のビンが並んでいる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">JFKの暗殺</span>:1963年11月22日、ダラスで起きたジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件のこと。その日の内にソビエト帰りの青年リー・ハーベイ・オズワルドが犯人として逮捕されたが、2日後、ダラス市警本部から郡拘置所への移送中に、バーの経営者で裏社会ともつながりを持つジャック・ルビーによって射殺された。ケネディ大統領暗殺に関する大統領特命調査委員会、通称、ウォーレン委員会は、オズワルドの単独犯行と結論づけたが、マフィア、CIAなどの陰謀説も根強く、未だに真相は解明されていない。ちなみに、現行犯逮捕されたルビーは獄中で「誰かに癌細胞を注射された」などと不可解な言動を繰り返していたという(1967年、肺塞栓症で死亡)。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">JFK</span>:ジョン・F・ケネディ(1917〜1963)。第35代合衆国大統領。民主党所属。1960年の選挙で、共和党候補ニクソンを破り、史上最年少の43歳の若さで大統領の座に就いた。就任早々に起きたキューバ危機では、ぎりぎりの所で核戦争を回避。その後も、ベトナム派兵、公民権問題など、幾多の難局に直面したが、1963年、志半ばにして、遊説先のダラスにて暗殺された。その就任期間はわずか3年でしかなかったが、若き理想家、新時代の旗手というイメージは、今なお多くの国民の胸に生き続けている。<br /><br /><strong><P80><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />ローリーを乗せたのは、ゲイのタクシー運転手ジョーイ。ローリーが気になるのか、バックミラーでチラ見している。橋を渡っていることから、ロックフェラー軍事研究所はマンハッタンの外にあることがわかる。<br /><br />ローリーがイヤリングを外していることに注意。DR.マンハッタンとの別離の意志の表れか。<br /><br /><strong><P81><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />スレーターの咳の激しさに、画面右奥で話し込んでいた二人が思わず振り返っている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />コミックショップ「宝島」のウィンドウに貼ってあるポスターの文字は「<span style="color:#FF1100;">バウンティ号の反乱</span>」。1789年、南太平洋を航行中のイギリスの軍艦バウンティ号で乗員の反乱が発生。乗員たちは船を乗っ取った上、艦長らを救命艇に乗せて追放した。この事件は何度も映画化されており、作品世界でも、話題のコミックスになっているようである。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />激しく咳き込んだせいで、スレーターはコップを倒してしまっている。次のコマの彼女のセリフ「一度、壊れてしまえば、二度と元には戻らないものも〜」に近い意味の慣用句「It's no use crying over spilt milk(こぼれたミルクを嘆いても無駄)」を連想させる描写。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />鍵屋の男が鍵を修繕しているが、スレーターのセリフ「一度、壊れてしまえば、二度と元には戻らないものも〜」の通りに、結局、この鍵は壊され続ける運命にある(<span style="color:#99FFFF;">P98 PANEL7</span>、<span style="color:#99FFFF;">P252 PANEL1</span>、<span style="color:#99FFFF;">P268 PANEL1</span>参照)。<br />壊されるという意味では、モーロックの部屋の鍵も同様であり(<span style="color:#99FFFF;">P165 PANEL6</span>参照)、ムーアが、アレキサンダー大王が一刀両断したゴルディアスの結び目=<span style="color:#FF1100;">ゴルディアン・ノット</span>を社名に選んだ時点で、これらの鍵の処遇は決まっていたのだろう。<br /><br />背後でジョーイのタクシーがUターンしていることからも、「宝島」とドライバーグのアパートの位置関係がわかる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />作業中にもかかわらずドアを開けるローリーに、鍵屋の男がイラついている。<br /><br /><strong><P82><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br />電気ポットにもヴェイト社のマークが入っている。取っ手の先のボタンを押すとお湯が沸く仕組みらしく、沸かしている間はランプが点灯している。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br />砂糖が一個しか入っていないのは、ロールシャッハが持って行ってしまったため(<span style="color:#99FFFF;">P17 PANEL6</span>参照)。<br /><br /><strong><P83><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />お湯が沸いたので、ランプが消えた。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL4</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">クォーク</span>:レプトンと並び、物質を構成する最小単位とされる素粒子。通常の環境下では、クォークのみを陽子などから取り出して観察することは不可能とされているが、DR.マンハッタンならば可能なのかもしれない。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL9</span></strong><br />カレンダーのフクロウの目が、DR.マンハッタンの目にダブる。実は二人の関係を見通していたことの暗示か。<br /><br /><strong><P84><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br />若干、わかりにくいが、コーヒーに映ったローリーの右目と波紋が、スマイリーの血痕に似たパターンを描いている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />宙に浮いたカフスボタンも一緒にテレポートしている。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL8</span></strong><br />ABCテレビ</span>:正式名称は、American Broadcasting Companiesの略。実在の放送局で、CBC、NBCと並ぶアメリカ3大ネットの一つ。本社はマンハッタンの西66丁目に位置する。<br /><br /><strong><P85><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL2</span></strong><br />二人が歩いているのは、40丁目と七番街の角。DR.マンハッタンがいるABCテレビ本社とは、直線距離にして2㎞程の位置。<br /><br />画面手前のポスターは『<span style="color:#FF1100;">宇宙水爆戦</span>』のもので、メタルーナ人の奴隷である昆虫人間メタルーナ・ミュータントが描かれている。画面に右端に見えているのは、ユートピア劇場の次回上映作品『<span style="color:#FF1100;">来るべき世界</span>』のポスター。『来るべき世界』は1936年製作のSF映画の古典で、原作者で、SFの父とも称されるH.G.ウェルズが脚本も担当している。1940年に起きた世界戦争によって絶滅の危機に瀕した人類の、百年に及ぶ復興の歴史を描いた大作。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/ScsTEQuqQEI/AAAAAAAAADE/8BRtBH_Bp3Y/s1600-h/moviepos.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 400px; height: 283px;" src="http://1.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/ScsTEQuqQEI/AAAAAAAAADE/8BRtBH_Bp3Y/s400/moviepos.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5317364748972081218" /></a><center>(左)宇宙水爆戦(右)来るべき世界 ポスター</center><br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL6</span></strong><br />ストリートギャングのジャケットの背中に書かれている文字は、漢字の"反"。アンチの意味か。<br /><br /><strong><P86><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br />番組の司会者の名前はベニー・アンガー。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL5</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">バックス・バニー</span>:ワーナー・ブラザーズのアニメーション『ルーニー・チューンズ』のシンボル的存在であるウサギのキャラクター。人を食った性格で、「どうしたんだい、ドク?(What's up, Doc?)」の決まり文句でいつも相手をからかっている。ちなみにワーナー・ブラザーズは『ウォッチメン』の発売元であるDCコミックスの親会社である。<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/ScpDk6e4LyI/AAAAAAAAAC8/hAc3f3g7Vz8/s1600-h/whatupdc.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 200px; height: 157px;" src="http://4.bp.blogspot.com/_xpPDQ8Rd7JQ/ScpDk6e4LyI/AAAAAAAAAC8/hAc3f3g7Vz8/s400/whatupdc.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5317136611517411106" /></a><center>バックス・バニー。日本語吹き替えでは「どったの、センセー?」</center><br /><br /><strong><P87><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">DR.マンハッタンの相棒</span>:英語で表記すると"DR.MANHATTAN'S BUDDY"。この表現は、スーパーマンの友人でデイリー・プラネット紙のカメラマンであるジミー・オルセンのかつてのニックネーム"SUPERMAN'S PAL"にちなんだものと思われる。60年代当時の、ウォリーとDR.マンハッタンの親しい関係が伺える。<br /><br /><strong><P89><br /><span style="color:#99FFFF;">PANEL1</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">ワシントン・ポスト</span>:1877年に創刊された実在の有力紙。ウォーターゲート事件を暴いたことで有名。左寄り、リベラルな編集姿勢で知られる。<br /><br /><strong><span style="color:#99FFFF;">PANEL3</span></strong><br /><span style="color:#FF1100;">エンクワイラー</span>:実在のタブロイド紙『ナショナル・エンクワイラー』のことと思われる。質問の内容もそれらしい。<br /><br /><div style="text-align: right">TEXT BY 石川裕人</div>PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-80730086352018606052009-03-25T23:54:00.003+09:002009-03-26T00:08:16.635+09:00映画関連グッズ「WATCHMEN MOVIE/ DOOMSDAY BLOODY WALL CLOCK」<a href="http://hb.afl.rakuten.co.jp/hgc/013d5d57.3f353ea2.03c69f44.1962c178/?pc=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fmamegyorai%2f171277%2f&m=http%3a%2f%2fm.rakuten.co.jp%2fmamegyorai%2fi%2f10014724%2f" target="_blank"><img src="http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fmamegyorai%2fcabinet%2fitem10%2f171277-w300.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fmamegyorai%2fcabinet%2fitem10%2f171277-w300.jpg%3f_ex%3d80x80" border="0"><span style="font-weight: bold;"><br/>WATCHMEN MOVIE/ DOOMSDAY BLOODY WALL CLOCK</span></a><br /><br />価格: 3,800円 (税込) 送料別<br />SHOP: 豆魚雷(楽天市場)<br /><br />アメコミの中のアメコミとして有名な『ウォッチメン』。2009年の超重要映画として公開が待たれる『ウォッチメン』より終末時計を模した壁掛け時計がリリース。ザ・コメディアンの「スマイル」マークをフィーチャーし、黄色と黒、そして血がついたクールなデザイン。<br /><br /><a href="http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/0030ad44.2941e968/?url=http%3a%2f%2fesearch.rakuten.co.jp%2frms%2fsd%2fesearch%2fvc%3fsv%3d2%26f%3dO%26g%3d101164%26v%3d2%26e%3d0%26p%3d0%26s%3d28%26oid%3d000%26k%3d0%26sf%3d0%26sitem%3dwatchmen" target="_blank"><span style="font-weight: bold;">その他の「ウォッチメン」関連商品を見る!</span></a>PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-37479750455051216612009-03-23T01:17:00.015+09:002009-03-31T18:08:51.597+09:00「ウォッチメン」リンク集映画、原作コミックの「ウォッチメン」に関連するサイトのリンク一覧です。<br />リンク先のサイト名が日本語になっているもの以外、すべて英語サイトですが、最新情報でも作品研究でも詳細なサイトが多いので、興味がある人はウォッチを。<br />随時アップデートします。<br /><br /><映画オフィシャル><br /><a href="http://www.watchmenmovie.co.uk/intl/jp/">映画『ウォッチメン』公式サイト</a><br />*立ち上げると音出ます<br /><br /><a href="http://blog.livedoor.jp/watchmen_movie/">映画『ウォッチメン』公式ブログ</a><br />映画キャンペーン等の最新情報はここから。いろいろやってます。<br /><br /><a href="http://www.i-watch-the-watchmen.jp/enter/">映画『ウォッチメン』NEW FRONTIERSMAN</a><br />日本の映画キャンペーンサイト。登録するとウェビソード(メイキングビデオ)が字幕付きで見られます。<br /><br /><a href="http://movie.nifty.com/sp/watchmen/">Nifty映画『ウォッチメン』</a><br />ニフティの映画キャンペーンサイト。日本オリジナルのウィジット配布。<br /><br /><a href="http://watchmenmovie.warnerbros.com/">Watchmen</a><br />英語版公式サイト。<br />*立ち上げると音出ます<br /><br /><a href="http://www.i-watch-the-watchmen.com/ww/">I Watch the Watchmen</a><br />配給のパラマウントによるウォッチメンのキャンペーンサイト。壁紙やアイコン、ウィジットの配布など。<br /><br /><a href="http://www.thenewfrontiersman.net/">The New Frontiersman</a>(ヴァイラルサイト)<br />劇中に登場する新聞、「ニュー・フロンティアズマン」の仮想サイトです。劇中当時の綴じ込みファイルを参照できる形になっています。<br /><br /><映画関連><br /><a href="http://www.imdb.com/title/tt0409459/">Watchmen(2009) -IMDb</a><br />Internet Movie Databaseのウォッチメンページ。<br /><br /><a href="http://www.youtube.com/user/watchmenmovie">Youtube WatchmenMovie</a><br />Youtubeのウォッチメン公式チャンネル。予告編が観られるほか、ファンによるオリジナル映像コンテストなども開催されました。<br /><br /><a href=" http://www.watchmencomicmovie.com/watchmen-fan-films.php">WatchmenComicMovie.com</a><br />映画ニュースすべてをウォッチする最大級ファンサイト。おすすめ<br /><br /><サウンドトラック><br /><a href="http://www.wmg.jp/artist/watchmen/WPCR000013349.html">ワーナーミュージック WATCHMEN / ウォッチメン リリース情報</a><br />ワーナーミュージックジャパンのサイト。映画のサントラを試聴できます。<br /><br /><a href="http://watchmenmusic.com/shop/">Watchmen: Original Motion Picture Soundtrack</a><br />英語版の映画のオリジナルサウンドトラック公式サイト。ビニール版の購入もできるそうです(でも日本からの購入は多分不可)<br /><br /><映画関連商品><br /><a href=" http://www.theworldofwatchmen.com/">The World of Watchmen</a><br />ワーナーによる「ウォッチメン」関連DVDとゲームのサイトにリンクするポータル。<br />*立ち上げると音出ます<br /><br /><a href="http://www.dccomics.com/sites/watchmen/?action=movie">DC Comics Watchmen Movie</a><br />DCコミックスによる映画紹介ページ。関連グッズ(映画レプリカと映画フィギュア)の紹介があります。<br /><br /><a href="http://froovie.jp/shop/c/c21033/">映画グッズ専門ショップ フルービー「ウォッチメン」</a><br />松竹の映画グッズの「ウォッチメン」ページ。映画館で販売しているグッズがここでも購入できます。<br /><br /><a href="http://www.blister.jp/page4.html">Blister ウォッチメン特設ページ</a><br />原宿にあるショップ、ブリスターで開催の「ウォッチメン・フェア」ページ。トイなどのほか、映画館グッズの取り扱いもあるそうです。<br /><br /><a href="http://towergoto.towerrecords.jp/blog/2009/03/tower-books-9c3.html">TOWER BOOKSキャンペーン情報 映画「ウォッチメン」キャンペーン続報!!</a><br />タワーレコード渋谷店7F TOWER BOOKSにてウォッチメンの書籍やDVDなどを集めたキャンペーンを展開中です。<br /><br /><原作><br /><a href="http://books.shopro.co.jp/comic/amecomi/watchmen.html">小学館集英社プロダクション ウォッチメン関連書籍2冊同時発売!</a><br />言わずとしれた日本語版。コミック増刷決定、買い逃し厳禁です!<br /><br /><a href="http://www.dccomics.com/sites/watchmen/">DC Comics Wathmen</a><br />原作コミックの出版元、DCコミックスによるウォッチメンのミニサイト。<br /><br /><a href="http://watchmen.wikia.com/wiki/Watchmen_Wiki">Watchmen Wiki</a><br />ウォッチメンのことなら何でも網羅するWiki<br /><br /><アラン・ムーア><br /><a href="http://www.alanmooreinterview.co.uk/">Alan Moore Interview</a><br />オンラインと紙媒体のアラン・ムーアのインタビューを丹念に拾い集めた記録。過去の記事も参照できます。ぜひムーア先生のオモシロ発言の数々を総ざらえしてみてください。おすすめ<br /><br /><ゲーム><br /><a href=" http://www.6minutestomidnight.com/">6 Minutes to Midnight</a><br />プロモーション用のミニゲーム。ロールシャッハになって真夜中の街をうろつくインタラクティブムービーです。英語でパズルを解く必要があります。<br /><br /><a href="http://www.watchmenvideogame.com/">Watchmen: The End Is Nigh</a><br />X-Box、PS3などで発売になったゲームの公式サイト。ゲームの舞台はキーン条約以前の1972年が舞台。プレーヤーはロールシャッハ、またはナイトオウル2世になって悪者と戦います。日本での発売は不明。<br />*ゲーム中残酷な表現があるため、18歳以下閲覧禁止になっています。トップページでは18歳以上であることを証明する誕生年月日を入れてください。<br /><br /><a href="http://www.watchmenjusticeiscoming.com/">Watchmen: Justice is Coming</a><br />iPhoneとiPod touch用のオンラインゲームの公式サイト。こちらでは時代は1975年、プレーヤーは犯罪と戦うウォッチメンになります。自分でウォッチメンのメンバーを新規に作ることもできます。<br /><br /><その他><br /><a href="http://www.jamesjean.com/">James Jean</a><br />初代シルクスペクターのピンナップを担当したイラストレーター、ジェームス・ジーンのサイト。<br /><br /><a href="http://adamhughes.deviantart.com/art/Nite-Owl-for-WATCHMEN-Film-111648410">Deviant Art by Adam Hughes -Nite Owl for WATCHMEN Film</a><br /><a href="http://adamhughes.deviantart.com/art/Silk-Spectre-111649018">- Silk Spectre</a><br /><a href="http://adamhughes.deviantart.com/art/Ozymandias-and-The-Comedian-111649517">- Ozymandias and The Comedian</a><br />コミックアーティスト、アダム・ヒューズによる「ウォッチメン」のためのコスチュームデザインのスケッチ。結局このデザインは採用されませんでしたが、アイデア的にはパーツで採用されている部分も。PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2238167818778898188.post-58106260412731228542009-03-21T21:21:00.000+09:002009-03-21T21:22:20.151+09:00「ウォッチメン」原作コミック解説(6) CHAPTER 2 [P70〜P72]<strong><P70></strong><br /><span style="color:#FF1100;">真珠湾攻撃</span>:1941年12月7日(日本時間8日)、かねてからアメリカと緊張状態にあった日本は、宣戦布告と同時に、ハワイ真珠湾のアメリカ海軍基地を奇襲。大きな損害を与えた。しかし、大使館のミスで宣戦布告が攻撃開始よりも遅れたため、アメリカ国民はだまし討ちと激怒。時の大統領フランクリン・ルーズベルトは即時参戦を決定し、ここに第二次世界大戦が幕を開けたのである。<br /><br /><span style="color:#FF1100;">ヒトラー</span>:アドルフ・ヒトラー(1889〜1945)。ナチスドイツの指導者にして第三帝国の総帥。第一次世界大戦の敗戦に沈むドイツにおいて、国家社会主義を掲げたナチス党に入党。すぐに党内を掌握し、人種憎悪と民主主義蔑視を喧伝した。1929年の世界大恐慌をきっかけに国民の支持を集めた彼は、1933年に首相に就任。着実に独裁体制を固めた彼は、1938年、ドイツ民族の生存権を主張し、オーストリアに侵攻。その後もポーランド、デンマーク、オランダ、ベルギー、フランスと快進撃を続け、一時はヨーロッパ全土をその支配下に納めた。その一方で、優性人種であるアーリア人こそが世界の支配者になるべきだという選民思想に従い、ユダヤ人を虐殺。強制収容所での犠牲者数は600万人にのぼった。しかし、不可侵条約を破ってのソビエト侵攻が思わぬ苦戦となり、さらにアメリカが参戦したことで形勢は逆転。連合軍の包囲網が迫る1945年、首都ベルリン陥落を目前にして自決した。<br />一般には20世紀最悪の極悪人というイメージが定着しているが、第二次世界大戦参戦前のアメリカでは、そのカリスマ性、国粋主義的思想に共鳴する者も決して少なくなく、1938年には『タイム』誌の今年の顔に選ばれている。<br /><br /><strong><P71></strong><br />ミステリーマン</span>:スーパーヒーローという言葉が定着する以前の1940年代は、コミックスのヒーローをこう呼んでいた。<br /><br /><strong><P72></strong><br />写真のコメディアンがはおっているのは、米海兵隊の迷彩服。日本軍から奪った陸軍の戦闘帽と日章旗を身に付け、記念撮影に臨んでいる。胸のベルトに煙草がはさんであるが、当時の彼はまだ18歳である。<br /><br /><div style="text-align: right">TEXT BY 石川裕人</div>PLANETCOMICS.JP WATCH THE WATCHMENhttp://www.blogger.com/profile/06700884131213766193noreply@blogger.com